2014 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ構造中2準位系の共鳴エネルギー変動の研究
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24310084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊野 英和 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (70292042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子ドット / キャリアダイナミクス / 光子相関測定 / 単一光子光源 / 量子情報 / 半導体ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
完全もつれ状態と完全混合状態の凸結合で書かれるWerner状態は、特に混合状態における量子的“相関”に関する議論の礎となる理論上重要な状態である。更に、Werner状態は2光子混合状態での最大もつれ状態であり、ユニタリ操作によってはもつれ度の向上ができない状態に対応することから、応用の観点からも有用性が高い。Werner状態の生成に関して、非線形光学過程による2光子についてはこれまで多くの報告があるが、確定的な2光子発生が期待される量子ドット光子対源の場合には、そもそも2経路の情報消去が自明ではなく量子的な相関を持つ光子対の生成が困難であったことから、これまでWerner状態との関連に関する知見は得られていない。今年度は、経路情報をもたらすドットの形状異方性を排除するため、GaAs (111)A基板上に無歪のGaAs量子ドットを液滴エピタキシー法により形成し、経路情報のない対称性の高いドットの形成に成功した。 9Kにて単一の量子ドットを励起した結果、中性励起子分子(XX)・励起子(X)、荷電励起子発光が確認された。2光子状態を構成するXX, X発光について光子相関測定を36通りの偏光配置で行い、得られた同時計数ピークに対して時間ゲートをかけて計数処理した。量子トモグラフィーおよび最尤推定により生成2光子の密度行列を構築し、線形エントロピー(SL)およびタングル(T)を用いて状態評価を行った。 いずれの場合もWerner状態を示す線上に位置することが確認され、また時間と共に混合度が増大する結果となった。これは量子ドットにより生成された2光子状態が、X滞在中に緩和を受けながらWerner状態として時間発展することを明瞭に示す。尚、T>0の点は偏光もつれ光子対発生に対応し、更に初期のSL <1/2を満たす2点は、ベル不等式を破る非局所相関光子対が発生していることに対応する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)