2012 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマテリアルとMEMS技術を融合した生体モニタリングデバイス
Project/Area Number |
24310099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (70329118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
荒川 貴博 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (50409637)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロセンサ / バイオセンサ / グルコース / 生体計測 / MEMS |
Research Abstract |
本研究では、これまで行ってきた機能性高分子とMEMS技術を融合したバイオセンサ技術をさらに深化させることで、長時間にわたり無観血・無拘束にて生体の化学情報をモニタリングを行う技術を提案する。本年度においては、研究実施計画に従い、SCL型バイオセンサの最適化及び涙液モニタリングを重点的に進めた。SCLの成型については既存の鋳型を用い、高分子材料をキャスティングすることで作製した。PDMS上への電極形成に関しては、IBS法及び平行平板スパッタ法にて薄膜電極の形成を行い、密着性や電極としての特性を評価した。現在のところ、IBS法においてスパッタ原子のランディング時のエネルギーが高いため、より密着性に富む、良質な薄膜電極が得られている。 加えて、本年度はレーザーマイクロ加工装置を導入することで、電極パターニング用のステンシルマスクを短時間で作製できるようになり、電極の設計変更が容易になった。このことで、SCL型バイオセンサの引き出し電極などについても、最適化を進めた。センサの最適化と並行して、家兎(日本白色種)による涙液グルコース計測に関しても実験を繰り返し、グルコース経口投与に伴う動的変化についても調べた。具体的には、家兎の眼部に作製したSCL型バイオセンサを装着し、グルコースを含む生理食塩水を点眼することで点眼に伴うグルコース濃度の上昇と、その後の涙液の基礎分泌に伴い、点眼したグルコースが低減する様子(分泌動態)を評価してセンサの正常動作を確認した後、グルコース経口投与に伴うSCL型バイオセンサの出力変化を調べ、涙液糖モニタリングの可能性について見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は実施計画の通りに進捗している。当初計画の通り、平成24年度は涙液成分のモニタリングを目的としたSCL型バイオセンサを中心に研究を実施し、25年度以降、新たなバイオモニタリングデバイスに展開することで新しいセンサ群を提案していくための基盤技術が構築できたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究実施計画に従い、ソフトマテリアルとMEMS技術の融合をテーマに、新規なバイオモニタリングデバイスを開発していく。研究の実施に伴い、新しい分野との連携の可能性も広がってきている。例えば口腔内の成分などについて本技術が応用できる可能性があり、生体への物理刺激と分泌物の相関について電気的な応答と化学成分による応答を同時計測して評価することが期待される。これについても基礎的な評価を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の異動(平成25年4月1日)に伴い、理化学実験用の消耗品(ピペット等)を平成25年度に購入する必要があるため、平成24年度予算より旅費の使用を減額し、434,098円を繰越すこととした。次年度はH25年度請求額とあわせて研究実施計画に従い予算を執行するとともに、上記消耗品等の購入に充てるほか、平成24年度に投稿し、25年度に発行が予定されている論文の投稿費用として利用する。
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