2013 Fiscal Year Annual Research Report
化学合成した量子ドットを用いる量子光学固体素子の製造技術の研究
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24310104
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
向井 剛輝 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (10361867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 聖介 横浜国立大学, 工学研究科, 研究教員 (40462709)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子ドット / 量子情報 |
Research Abstract |
化学合成によって製造する量子ドット(QD)を用いて光量子情報回路を作製するための基盤技術を構築することを、研究の目的としている。今年度は引き続き、化学合成QDとポリマーを組み合わせた可変マイクロキャビティの製造と、QDを1個単位で位置制御するためのナノ・テンプレートを走査型プローブ顕微鏡(SPM)リソグラフィで作製する技術の開発を行った。おおむね順調に研究成果が得られ、テーマ関連の多くの研究発表も行った。 まず、ポリマー製マイクロ・キャビティの設計・試作を実現した。電圧印加によって量子ドットの発光波長とキャビティの共振波長とのディフェージングを操作できることを確認した。更に引き続き、次に述べるシリコン基板で作製したナノ・テンプレート上でQDを1個単位で位置制御する技術との融合を視野に、シリコン/ポリマーのハイブリッド型マイクロ・キャビティの設計を開始した。 また、SPMによる陽極酸化の技法を用いて、シリコン基板表面にナノホールを任意の位置に形成し、QDをトラップする技術を検討した。その結果、陽極酸化パターンをネガ型として用いる方法を発展させ、作製したナノホールにQD1個をトラップさせることに成功した。また、そのために、SPMによる酸化ラインの断面形状の制御や、Reactive Ion EtchingにおけるSi/Si02の選択比の向上を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画には、4点のサブテーマを掲げ、研究を進めた。すなわち、1)ポリマー製素子の試作技術の向上、2)単一光子測定のための試料作製・測定技術の開発、3)量子ドットの化学合成条件の探索、4)SPM リソグラフィを用いた量子ドットの位置制御技術の検討、である。順調に成果が上がっており、本報告書に述べるように、これらの成果に関する論文発表11件、学会発表16件、特許出願2件の実績を残すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しており、今後も計画通り研究を推進する。平成26年度は特に、内包する量子ドットの位置を制御した光子放出素子の試作、SPMリソグラフィを用いた量子ドットの位置制御技術の検討、量子ドットをシリカガラスに担持させる方法の検討、SPMリソグラフィを用いたQDの位置制御技術の検討、量子ドット発光の、時間相関測定装置による単一光子測定に注力し、研究をまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた量子ドットの合成と選別における高速超遠心機が、研究の進行状況によって優先順位が下がった。その代わりに、試料の光学評価に必要な光学部品や、試料合成やデバイス試作に用いる薬品等の消耗品の不足が明らかになり、使用計画を見直す必要が生じた。 繰り越した予算は、試料の光学評価に必要な光学部品や、試料合成やデバイス試作に用いる薬品等の消耗品、及び海外を含む学会発表のための旅費等に使用する。
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