2012 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体ゲート電界印加グラフェンのバンドギャップ生成制御とナノデバイスの開発
Project/Area Number |
24310105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前橋 兼三 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40229323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 恭秀 大阪大学, 産業科学研究所, 助教(Research Associate) (90362623)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グラフェン / イオン液体 / バンドギャップ / 電界印加 |
Research Abstract |
グラフェンは完全な2次元結晶であり非常に高い移動度を有するが、バンドギャップが0であるために、高いon/off比をもったデバイスを作製することができない。本研究の目的は「イオン液体ゲート電界印加グラフェンのバンドギャップ生成制御とナノデバイスの開発」である。これは、イオン液体ゲートを利用して、2層グラフェンに高効率に電界をかけることにより、低電圧でバンドギャップを生成制御することである。さらに、低電圧で動作する高いon/off比を持った高機能ナノデバイスの開発し、ロジックゲート、メモリ、または、高感度センサ等に応用することが本研究の目的である。 2層グラフェントランジスタは、機械的剥離法を用いて2層グラフェンをSiO2基板上に付着させ、その後、ソース、ドレイン、および、サイドゲート電極を形成する事によって作製した。イオン液体を吸着させた後、電気特性の評価を行った。基板を用いたバックゲート電圧依存性、および、イオン液体ゲートによる電圧依存性を詳細に評価することにより、イオン液体のデバイ長が約4 nmと見積もることができ、イオン液体を用いることにより効果的に電界を印加できる事を明らかにした。電界を印加したまま、低温から室温付近までの温度変化を測定することにより(アレニウスプロット)、最大で240 meVのバンドギャップの形成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薄利グラフェンに、ソース、ドレイン電極を形成することによって、グラフェンデバイスを作製し、その電気特性を評価してきた。 その後、ゲート電極を形成し、そのグラフェンデバイス上にイオン液体を塗布することにより、イオン液体ゲートを有するグラフェンデバイスの作製に成功した。 しかしながら、試料を評価するための機器に不具合が生じ、修理を行う必要が生じたため、イオン液体ゲートを有するグラフェンデバイスの電気特性を評価することが不可能になった。よって、研究の達成状況はやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したイオン液体ゲートを有するグラフェンデバイスに、バックゲート、サイドゲートを印加した状態で、そのデバイスの電気的評価を行う。 さらに、イオン液体を塗布した状態で、レーザ光を入射し、ラマンスペクトルを測定可能か検討する。バックゲート、サイドゲートを印加した状態で、ラマンスペクトルを測定し、その光学的特性を評価する。 今までは機械的剥離法によってグラフェンを形成したが、今後はグラフェンをシリコン基板に直接成長することを試み、高性能グラフェンデバイスの集積化を行う。その手法として、レーザ光を用いてアモルファスカーボンからグラフェンが合成できるか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試料を評価するための機器に不具合が生じ、修理を行う必要が生じたが、修理後は研究計画通りに進めていく予定である。 研究計画に変更はなく、予定通り研究は進めいていく予定である。その際、研究推進のために必要に応じて研究費を施行していく。
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Research Products
(5 results)