2014 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体ゲート電界印加グラフェンのバンドギャップ生成制御とナノデバイスの開発
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24310105
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
前橋 兼三 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40229323)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グラフェン / イオン液体 / 電界効果トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
完全な2次元結晶であるグラフェンは非常に高い移動度を有するが、バンドギャップを有しないためにデジタルデバイスを作製することが困難である。本研究の目的は「イオン液体ゲート電界印加グラフェンのバンドギャップ生成制御とナノデバイスの開発」である。 まず、機械的剥離法を用いてSiO2基板上に2層グラフェンを付着させ、その後、ソース、ドレイン、および、サイドゲート電極を形成する事によって2層グラフェントランジスタを作製した。次に、グラフェンチャネル上にイオン液体を塗布した後、電気特性の評価を行った。さらに、電界を印加した状態でレーザ光を入射可能にした。その結果、ゲートを印加した状態でラマンスペクトルを測定すると、グラファイトを反映したGピークが2つ(G-、G+)に分裂するのが観測された。2種類のゲート電圧を変化させると、その2つのピーク位置、および、強度に変化が見られた。この結果は、バンドギャップが形成されることにより、対称性の破れが原因だと考えられる。 次に、レーザアニール法による絶縁膜上へのグラフェンの直接位置制御成長を試みた。SiO2表面上にアモルファスカーボン、金属の蒸着を行い、その金属は触媒として作用するNi、Coを使用した。この試料にレーザを照射することにより、Ni、Coともグラフェンが形成されることが明らかとなった。さらに、パターン化した金属を用いることにより、レーザを走査することでグラフェンチャネルの形成が可能となり、グラフェンの合成と同時にデバイスを作製した。その際、アモルファスカーボンの膜厚、および、触媒金属によりデバイスの特性に大きな影響を与えることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
阪大から東京農工大への異動に伴い、阪大の装置の立ち下げから東京農工大への装置移動、さらに、装置の立ち上げの間に実験を行うことが不可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
絶縁膜上へのグラフェンの直接位置成長、および、作製したデバイスの特性評価を行う。その際に試料作製条件を変化させること、および、基板をガラス、プラスティックを用いてデバイスの作製を行う。
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Causes of Carryover |
阪大から東京農工大への異動に伴い、阪大の装置の立ち下げから東京農工大への装置移動、さらに、装置の立ち上げの間に実験を行うのが不可能であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
絶縁膜上へのグラフェンの直接位置成長、および、作製したデバイスの特性評価を行う。さらに、その成果の発表を行う。未使用額は、それらの経費に充てることとしたい。
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Research Products
(4 results)