Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 毅彦 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90246778)
岸本 信 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (00610560)
李 昌〓 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (50632436)
下村 研一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90252527)
平井 俊行 富山大学, 経済学部, 准教授 (00383951)
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Research Abstract |
本年度は,本研究の初年度であり,まず,各メンバーがこれまで独自に進めてきた本課題に関わる研究成果について,各自が国内,国外の研究会,学会に出かけて参加者と議論を行い,その際のコメントを持ち寄って,これからの研究の方向性についてディスカッションを行った。その結果をもとに,以下の分析を行った。 (1)先見的安定集合がパレート最適な結果を導く状況,導かない状況を分類し,それぞれについて共通する要素を分析した。特に,最近の成果である,2国間貿易における関税交渉,輸出量,輸入量制限交渉における2国の先見的行動と自由貿易などパレート最適な状況との関連について,アメリカ,ヨーロッパの研究者との議論を通し,今後の研究の方向性を明らかにした。 (2)2人ゲームについて,2人のプレイヤーの先見的行動とその下での安定な戦略の組を詳細に分析し,特にゼロ和ゲームにおいては,ミニマックス戦略の組と密接な関係があることを明らかにした。 (3)2人ゲームについて,戦略の変更をめぐる動的な交渉ゲームを定義し,その定常的均衡と先見的安定集合との関連を分析した。 (4)(3)の動的な交渉ゲームについて被験者を用いた実験を行い,定常的均衡がもたらす結果と実験結果との比較を行った。 (5)主体間の提携形成において,各主体の先見的行動により実現される提携と,主体が近視眼的に行動した場合に実現される提携との相違を詳細に分析した。これは、今まで理論のバックアップなく想定されてきた優加法的特性関数形ゲームにおける全員提携の形成を理論的にサポートする可能性のある結果である。
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