2013 Fiscal Year Annual Research Report
拘束力のない合意の実現可能性について-ゲーム理論による分析
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24310110
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武藤 滋夫 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (50126330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 毅彦 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (90246778)
河崎 亮 東京工業大学, 社会理工学研究科, 准教授 (20579619)
岸本 信 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (00610560)
イ チャンミン 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (50632436)
下村 研一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90252527)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 安定集合 / 先見的安定集合 / 交渉ゲーム / 定常均衡 / 実験 / パレート最適性 / 制度分析 / 提携形成 |
Research Abstract |
平成25年度に得られた結果を基にして,以下の通り研究を行った。(1)2国間貿易における関税交渉,輸出量,輸入量制限交渉における2国の先見的行動とパレート最適な状況との関連についての平成24年度の結果をもとに、関税と輸出入量規制がもたらす結果の違いを詳細に分析し,その違いをもとに、どのような状況の時にどちらの方策が2国間の厚生にとって好ましいかを先験的安定集合の観点から明らかにした。(2)特性関数形ゲームにおける提携形成と利得分配に関する交渉ゲームを定義し,その定常的均衡をもとに先見的安定集合が安定な結果を導くプロセスを,まず2人ゲームに関して明らかにした。2人ゲームにおいては,2人の主体の協力が先見的安定集合により安定な状態として生ずることを明らかにした。(3)(2)の動的ゲームについて,定常的均衡がもたらす結果について,被験者を用いて検証するための予備実験を行った。(4)江戸時代の商人の行動について、先見的安定集合からの分析を行い、これまでの非協力ゲームとナッシュ均衡による分析との比較を行った。(5)国内外の研究集会に出席して,研究成果の発表を行い,出席者との議論を通して研究の方向性などについて情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の実施がまだ予備実験の段階にとどまっているが,その他の理論的成果は予想以上に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究,特に提携形成と利得分配の動的交渉ゲームを2人ゲームから多人数ゲームへの拡張と,その定常的均衡の被験者を用いた実験による検証をさらに進めるとともに,国内外の学会での議論から明らかになってきた先見性の上限をどのように取り入れればよいかという新たな問題を,江戸時代の商人の行動など具体的に歴史的データから検証できるものを中心に考えていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度に国際会議を予定しているため,基金未使用額が生じた。 最終年度(平成27年度)に使用する予定である。
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