2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24310112
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
土谷 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00188575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 知就 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (10551260)
上野 玄太 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (40370093)
村松 正和 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70266071)
福田 光浩 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80334548)
小原 敦美 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90221168)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 凸最適化 / 弱実行不能 / 悪条件 / 2次錐計画 / 古代メソポタミア / 社会構造推定 / von Neumann エントロピー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、2次錐計画問題の弱実行可能性についての解析を行った。これは、半正定値計画問題の弱実行可能性の解析の拡張である。問題を定義する線形空間に無限方向(線形空間と2次錐との交わり)が存在する場合には、2次錐制約をその無限方向で決まる半平面制約で緩和した問題が考えられる。得られた緩和問題の強実行可能性/強実行不能性が、各々元の問題の強実行可能性/強実行不能性と同値であることを示し、この結果を用いて、弱実行不能な2次錐計画の構造を明らかにした。特に、n個の錐を有する2次錐計画問題について、もし、それが弱実行不能であれば、元のアフィン空間に含まれる、n-1次元以下のアフィン部分空間で、錐との距離が0となるものが存在することを示した。さらに、この緩和が双対問題に対する面縮小法と関係があることを指摘した。 また、ユークリッド的ジョルダン代数の枠組みで、行列単調関数を用いたあるクラスの関数について、関連する凸最適化問題のための自己整合障壁関数を具体的に求めた。このクラスは von Neumann 行列エントロピーを含んでおり、量子情報科学への応用が考えられる。 さらに、ヌジ資料からの古代メソポタミア社会の構造を推定するために、凸2次最適化モデルを作成し、出現人物の生誕年、死亡年と文書が作成された年代を推定した結果、文書が作成された過程がロジスティック分布で良く説明できることを見出し、論文として出版した。このことは、古代社会において、少数者への富の集約の過程が起こったことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪条件半正定値計画問題に対する構造解析を2次錐計画問題へ拡張することができた。古代メソポタミアに関する研究も順調に進展し、最適化手法を用いることで、古代メソポタミア社会の変化を明らかにすることができた。von Neumann エントロピー最適化のためのバリア関数を構築する手法も提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
悪条件半正定値計画問題や2次錐計画問題の構造解析結果をより実用的なアルゴリズムや誤差評価などに繋げていく。
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Causes of Carryover |
平成27年1月、悪条件の半正定値計画問題の構造解析のための手法が当初の想定を超えて2次錐計画問題および両者を包含する対称錐計画問題にまで拡張可能となる可能性が示唆され、その検討のため、研究計画を変更し、延長する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際シンポジウムにおける発表のための旅費および数値実験、論文作成補助のアルバイトを雇用するために使用する。
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