Research Abstract |
本研究課題では,確率論的不確実性とファジィ論的曖昧性を同時に取り入れた,いわゆる究極の意味での不確実・曖昧情報の下での様々な大規模多目的非線形最適化問題の定式化を遂行するとともに,確率計画法,ファジィ計画法,多目的計画法,大規模計画法の望ましい特徴を取り入れることにより,新しいパラダイムとしての遺伝的アルゴリズム,粒子群最適化,タブーサーチ,シミュレーティッドアニーリングなどの様々なメタヒューリスティックスの概念に基づく効率的な並列・分散処理手法を確立し,意思決定者との対話による対話型意思決定手法の開発に焦点が当てられ,(1)現実の意思決定状況のランダム性とファジィ性を同時に考慮した究極の数理計画法として,ファジィ数の実現値が確率的に変動するファジィランダム数理計画法のみならず,平均や分散がファジィ数であるようなランダムファジィ数理計画法の定式化に関する研究と(2)意思決定者との対話による多目的計画法への統合と一般化を目指して,一般化不確実性状況下での対話型意思決定手法に関する研究の2種類のテーマに分類される.これらの研究テーマへの挑戦に際して,本年度の研究成果として,ファジィ性とランダム性を考慮したファジィランダム変数係数を含む多目的計画問題を定式化するとともに,レベル集合や可能性に基づく確率最大化や満足基準最大化に基づいて,意思決定者の満足解を導出するという対話型意思決定手法を提案するとともに,関連分野への研究成果や応用も得られ,内外の学術雑誌に数多く掲載された.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に開発した対話型最適化手法に,ソフトコンピューティング,進化的メタヒューリスティクスなどの近年注目されてきている新しい手法の望ましい特徴を取り入れることにより,モデリング過程でのパラメータに含まれるファジィ性やランダム性,定式化されたファジィ性とランダム性を含む多目的計画問題に対する意思決定者の判断の曖昧性を考慮した,人間性を尊重した新しい意思決定手法を開発する予定である.
|