2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会インフラの遠隔安全監視を行う振動発電式セミパッシブ無線センサ
Project/Area Number |
24310117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90212737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本久 順一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (60212263)
池辺 将之 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (20374613)
渡辺 浩太 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20322828)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 無線センサ / 環境エネルギー / RFID / エネルギーハーベスティング / センサネットワーク |
Research Abstract |
橋梁やトンネル,高圧送電鉄塔などのインフラストラクチャに無線通信機能を有したセンサを高密度に配置し,各点の温度・ひずみ等の観測データを基地局に集約して状態監視を高頻度に行うことにより,崩落・火災など大事故によるライフライン停止の危険性を最小化できる.本研究ではパッシブRFIDタグの技術を基礎として,検査車など移動体からUHF帯域の無線センサに電磁波を放射して安全監視を行う遠隔計測システムの実現を目指す.このような遠隔測定のためには10m以上の通信距離が望まれるが,屋外使用が法令で認められている電磁波電力では,通信距離は約2m程度に留まる.そこでトンネルや鉄塔などの振動により電力を発生する微小発電機を開発し,これを申請者らが開発した極低消費電力の無線センサに搭載することで10m以上の通信距離を実現し,遠隔計測を可能とする. 本研究では環境の振動からエネルギーを回収する方式として,電磁誘導式の振動発電装置を開発する.この発電装置では,環境の振動によりコイルと磁石を相対的に変位させ,電磁誘導により電力を発生させる.平成24年度は振動発電装置の基本設計を行い,コイルを振動させる方式と磁石を振動させる方式を持つ,2つの異なる試作機を作成した.試作器の筐体は3次元プリンターを用い,ABS-like樹脂で作成した.試作した装置を加振器により振動させ,共振周波数や発電量を測定した.この結果,コイル振動型では600μW,磁石振動型では20μWの電力が得られることが分かった.これらの試作機は数cmの大きさがあり,無線センサに使用するためには大きさを小さくする必要がある.たとえばサイズを現状の1/10にすると電力は1/1000になる.一方,無線センサには少なくとも数10μWの電力が必要であるため,発電量を現状の100倍にする必要がある.このためには磁束のもれを防ぐための磁気コアを導入することなどの改善が必要であることがわかった.また今年度は,振動発電機を解析するための準静磁界・電気回路・力学系の連成解析手法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,H24年度は振動発電装置の基本設計を行う予定であったが,これに加えて試作機の製作,測定実験を行うことができ,当初の計画以上に研究が進展した.一方で1振動発電装置を搭載する無線センサの開発がやや遅れている.振動発電装置の解析手法の開発は予定通り順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の研究成果により,振動発電機の効率を改善する必要があることがわかった.このため磁束もれを防ぐための磁気コアを導入した振動発電機を作成し,その特性を測定する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
振動発電機の測定実験の補助のために謝金を予定していたが,実験が予定よりも順調に進行したため,謝金が予定額より少なくなり,助成金に残金が生じた.本助成金はH25年度の実験装置の購入に充当する予定である.
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