2013 Fiscal Year Annual Research Report
室内震災リスク軽減のための集客施設での防犯カメラ映像の分析とデータアーカイブ化
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24310130
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
翠川 三郎 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00143652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 弘之 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30418678)
藤岡 正樹 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 研究員 (70624328)
東 宏樹 独立行政法人防災科学技術研究所, 社会防災システム研究領域, 契約研究員 (00608672)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 避難行動 / 集客施設 / 防犯カメラ / 映像アーカイブ / トラッキング |
Research Abstract |
東日本大震災において不特定多数の集まる集客施設での室内震災リスクが大きいことが再認識された。このリスク軽減のために、本研究では、大型ショッピングセンターを全国に展開する企業(イオン株式会社)との協定により集客施設での大量の防犯カメラ映像を収集できる環境を利用して、集客施設での防犯カメラ映像を大量に収集し、得られた多数の実際の映像から室内物品の挙動や人間行動を分析し、これに基づく人間行動シミュレーションを行い、行動指針や対策に役立てることを目的として、以下の研究項目を進めた。 ①震度閾値超過店舗検索システムおよび映像アーカイブシステムの運用:平成24年度において開発した震度閾値超過店舗検索システムを運用し、地震発生時にイオン各店舗における推定震度が5強以上となる店舗に対し、映像メディアの提供依頼・取得を継続して行い、映像アーカイブシステムに随時データを追加した。 ②映像分析による人間行動等のモデル化:現地調査を行うことで対象空間を把握したうえで、2011年東北地方太平洋地震の映像を基に、映像に映り込んだ各人の動きをトラッキングすることで移動軌跡を取得した。次に、人間行動の抽出として、人間行動を「退避行動」、「防御行動」に分類し、震度および属性ごとにその特徴をまとめ、人間行動のモデル化のためのデータを整理した。 ③人間行動シミュレーション:避難者に見立てたエージェントがシミュレータ上で自立行動できるよう、シミュレーションプログラムのプロトタイプ(試作)を作成した。その際、②の結果を反映できるよう、グループ行動、揺れの大きさによる行動の変化、群衆が密集することによる速度低下等の機能を組み込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震度閾値超過店舗検索システムは継続運用されており、映像アーカイブシステムへ新規データの追加も行われている。また、現地調査を行うことで対象空間を把握したうえで、震度や属性別の人間行動の分析も進んでいる。さらに、避難シミュレーションについてもプロトタイプも作成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、震度閾値超過店舗検索システムを運用し、映像アーカイブシステムに順次データを追加する。 また、人間行動の分析を進め、避難者が取る行動を震度や属性別に把握しモデル化する。すなわち、人間行動を「退避行動」、「防御行動」に分類し、震度毎に、家族や友人同士のグループまたは単独での行動、従業員の誘導に対する行動、通路やフードコート等の場所による行動等を定量的に把握し、避難者の行動モデルを作成する。 次に、人間行動シミュレーションでは、前述の避難者の行動モデルをプログラム化する。すなわち、シミュレータ上で、避難者に見立てた多数のエージェントを生成し、避難者の動的な行動である出口への退避行動やそれに伴う群衆化、揺れに伴う防御行動への変化、グループまたは単独での行動、誘導に対する行動等を表現する避難シミュレーションを行う。 さらに、映像を活用した従業員向けの講習を試行し、将来的な活用方法として、アーカイブデータの公開可能性についても検討を進める。
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Research Products
(3 results)