2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス細胞内に存在する低分子RNAの高次構造に基づく網羅的解析
Project/Area Number |
24310147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 剛太 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70211860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清澤 秀孔 高知大学, 医学部, 特任准教授 (30295422)
牛田 千里 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (50250593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能性RNA / NMR / 立体構造解析 / トランスリプトーム |
Research Abstract |
本研究計画では,遺伝学的,生化学的,および構造生物学的アプローチを駆使して,マウス由来の新規低分子RNAの解析を進めている.平成24年度における研究実績は次のとおりである. 1)低分子RNA候補の二次構造解析とクラスタリング マウスの脳に由来するRNAおよびマウスのES細胞に由来するRNAついて次世代シーケンサーによる配列解析を行うことによって得られた配列データを用い,二次構造に基づくクラスタリングを進めている.脳については約1億配列,ES細胞については約6千億配列が得られている.脳に由来するデータについては,解析をほぼ完了し,10を超える新規低分子RNA候補を見出した. 2)低分子RNA候補の立体構造形成スクリーニング 多数の低分子RNA候補について,その立体構造形成を迅速に評価するための,NMR試料管内転写法を開発し,構造既知のRNAについて適用することによって,その有用性を実証した.また,プロジェクトで見出したいくつかの候補RNAについて,実際に適用した. 3)配列解析 マウスES細胞が神経細胞に分化する過程のさまざまな段階の細胞から低分子RNAを抽出し,その配列解析を進めている. 4)ノーザン解析 プロジェクトでこれまでに見出した低分子RNA候補について,ノーザン解析を行い,発現の確認を行った.その結果,3つのRNAについて強い発現を確認し,また,4つのRNAについて弱い発現を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NMR法による二次構造あるいは立体構造スクリーニングの手法を開発し,すでにNMRスペクトルの解析が終わっているいくつかのRNAについて,その有効性を実証した.また,次世代シーケンサーによる配列データについての解析を進め,複数の新規RNA候補を見出すとともに,そのいくつかについて,生化学的手法による発現の確認を行うとともに,NMR法による立体構造解析に着手している.したがって,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析をさらに推進する.具体的には,新規低分子RNAの検索をさらに進めるとともに,見出した新規低分子RNA候補について,立体構造解析あるいは機能解析を進める.また,立体構造に基づく分類の効果について,検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNAを得るための細胞培養でES細胞への分化系を予想以上に効率よく得ることができたため,一部の予算を次年度に回し,より多くの試料の作成をまとめて行うことを計画した.
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