2014 Fiscal Year Annual Research Report
湿原生態系保全のためのリモートセンシング観測諸元の解明
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24310169
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉野 邦彦 筑波大学, システム情報系, 教授 (60182804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 泰久 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70192466)
串田 圭司 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (90291236)
露崎 史朗 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (10222142)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生態系保全 / リモートセンシング / 湿原植物群落 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は,以下の研究成果を出した. ①研究対象地域における精細植物群落図1998年の空間解析の結果,当該地区での湿原生態系モニタリングに必要なリモートセンシングデータの地上空間解像度は,30cm以下の解像度が必要であることが判明した.この空間解像度以下の解像度で当該地区を観測すれば,湿原植物生態学的な分析が可能な細かさの植物群落図が描ける.②H24年度とH25年度にかけて,インターバル・カメラを用いて当該地区の代表的植物群落の連続観測した連続写真の解析によって,当該地域において,上空からの観測により多様な植物群落が判別可能な時期は,スゲ類の開花期間である6月下旬から7月中旬であることが判明した.③今年度までの本研究で明らかになった湿原生態系モニタリングのためのリモートセンシング観測諸元を用いて,ラジコンヘリコプター搭載カメラによる道東標津湿原の低高度空撮画像から,植物群落図2014年の作成を試み,暫定版を作成した. 湿原生態系モニタリングに関連する研究成果を以下のように査読付き学術論文として3編の論文を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題で,解明すべき最適観測波長帯についての分析が遅れている.最適観測波長帯を議論できると考えた1994年秋撮影の航空機ハイパースペクトルバンド画像データの幾何補正精度とノイズの問題により,画像としての品質が良くないことが理由である. そのため,精細植物群落図1998年との重ね合せ精度に信頼性に疑問があり,最適観測波長帯についての議論が可能かどうか,精査中である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,次のように研究を進める. 1)湿原植物群落マッピングのための最適観測時期(6月下旬から7月上旬)に,低高度カラー空中写真撮影と現地植物群落の確認調査を行う. 2)7月中に上記空中写真解析を行い,釧路湿原構想湿原地帯の精細植物群落図を完成する.過去の植物群落図とともに植物 群落の変化を時系列的に解析,分析する. 3)8月以降は,本研究課題の成果の取りまとめと成果の公表に向けて,学術雑誌に論文を投稿する.
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Causes of Carryover |
当初計画の現地調査のための旅費が予算額より安価であったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は,現地調査旅費,あるいはデータ解析のための物品費の経費で,現地調査に必要な乾電池や野帳等の購入に使用する予定である.
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