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2012 Fiscal Year Annual Research Report

農林生態系における天敵多様性の生態系機能

Research Project

Project/Area Number 24310170
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

村上 正志  千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50312400)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鎌田 直人  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90303255)
久保田 康裕  琉球大学, 理学部, 准教授 (50295234)
平尾 聡秀  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90598210)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords生物多様性 / 食物網 / 生態系機能 / 2次代謝物質
Research Abstract

本研究では、植物-植食者-天敵の量的食物網を描くことで、天敵群集の多様性が食物網を通じてもつ生態系の安定化効果を明らかにすることを目的としている。具体的には、森林生態系と草地生態系において、植物-植食者-天敵の量的食物網の記載、天敵多様性への土地利用様式の影響の評価、天敵多様性の植食者群集安定化効果の解明に取り組んでいる。
本年度は、これらの課題について、植物-植食者-天敵の量的食物網の記載に取り組んだ。森林生態系、および、草地生態系において、1.カエデ科樹木を利用する鱗翅目、2.樹幹を利用するアンブロシアキクイムシ類、3.アブラナ科草本とモンシロチョウ類の調査を行い、それぞれ、量的食物網を描くためのデータを集めた。また、1については、各樹種への選好性を検討するために、カエデ科樹木種の葉の機能特性を測定した。2についても、キクイムシ類と共生する、酵母および糸状菌の単利を試みている。現在、これらの成果を学術論文として発表を準備中である。
また、3については、アブラナ科草本における特徴的な防御物質(2次代謝物質)である、カラシ油配糖体(glucosinolate)の多様性について、メタボローム解析を行っている。さらに、生息環境の効果を検討するために、GISを用いて、千葉県北部の草地の空間分布を解析中である。
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Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までに、森林生態系において、1.カエデ科樹木を利用する鱗翅目、2.樹幹を利用するアンブロシアキクイムシ類、草原生態系において、3.アブラナ科草本とモンシロチョウ類、について、サンプリングを行い、群集構造を記載している。さらに、キクイムシ類については、それらと共生する、菌類群集の組成の解析に取り組み、培養法までの確立を終えた。これらのデータを元に、2については、その結果を、国際学術雑誌に近日中に投稿予定である。また、1についても、原稿をまとめている。このほかのテーマについても、次年度(25年度)中に、学術雑誌への投稿の目処が立っており、おおむね、当初の計画に沿って進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

野外調査を継続すると共に、分子手法による食物網の記述法の開発、さらに、土地利用様式の変化による生態系機能の損失の予測について検討を進める。また、相互作用関係の年次変動を考慮して、量的食物網に関する野外調査を行う。
植物-植食者-寄生者系については、幼虫での種同定が困難で有り、また、寄生蜂に寄生され、成虫にならない個体が多いので、DNAバーコーディングの手法を用いて昆虫の同定を行うことで、より詳細に食物網を記述する。死亡個体のうち、同定ができないものについて、DNAバーコードを作成する。菌類についても検体からDNAを抽出し、塩基配列を解析する。ITS1およびITS2領域を第1候補として、既存の病原菌のデータベースと照らし合わせて同定を進める予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

期間の最後に、少額の経費が残ったので、帳尻を合わせることはせず、次年度の経費と併せて使うことにした。残額はわずかであるので、次年度計画を進める中で、消化する予定である。
研究全体は、順調に進捗しているので、次年度は、当初の計画に従い研究費を使用する。また、分担者との意見交換のために、旅費を用いる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Book (1 results)

  • [Book] 河川生態学2013

    • Author(s)
      村上 正志(川那部・水野編)
    • Total Pages
      354
    • Publisher
      講談社

URL: 

Published: 2014-07-16  

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