2014 Fiscal Year Annual Research Report
大規模環境汚染事故による地域の崩壊と復興:チェルノブィル、アイカ、フクシマ
Project/Area Number |
24310176
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (20184369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城下 英行 関西大学, 社会安全学部, 助教 (10581168)
今中 哲二 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (90109083)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 福島 / チェルノブイリ / 赤泥 / 環境汚染 / 放射能 / 地域 / 原発災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の研究目的は、①福島原発事故による放射能汚染を地域変容としてとらえ、②チェルノブィル、及びハンガリーのアイカの先例と比較調査し、③「フクシマ」の将来を中長期にわったて見通すことである。 1.地域変容としての福島原発災害:従来の原発事故、及び放射線被曝に関する研究は放射線量の測定、及び線量値の意味づけに関心が集中していた。しかし、本研究により、原発事故災害にともなう長期的避難生活は避難者の家族関係、社会関係、文化環境、言語状況、さらには自然との関わり方をも大きく変容させていることが明らかになった。つまり原発事故により地域の有り様が根本的に変化している。 2.チェルノブイリとアイカの経験の継承:本研究では従来日本でも欧米でもほとんど紹介されてこなかったチェルノブイリ被災地での文化人類学的研究を掘り起こし、この視点から福島とチェルノブイリの比較研究に着手した。また、ウクライナの人類学者は避難者への面接調査のなかで、避難者が自らの言葉で自らの生活や故郷を語ることが心の癒しに繋がるという知見を発見した。この点についても、福島のフィールド調査などで類似の事例を確認しており、本研究では被災者の心の救済と地域文化の記録・継承という視点から、新しい研究調査手法を模索した。ハンガリーの経験からは、復興における迅速性、恒久(特に私有)住宅建設の優先、復興予算の透明性重視という教訓を導き出し、その詳細を単著として出版した。 3.福島原発事故災害の中長期的見通し:原発災害からの復興、とりわけ住民の帰還政策は避難地域の放射線量の多寡だけによって決められている現状に対して、地域変容の視点から多様な指標を用いて行なう必要があるという知見を打ち立て、この知見に基づく復興計画の詳細を地域社会、健康管理、生態系、地域文化を取り入れて立案する筋道をつけた。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(9 results)