2015 Fiscal Year Annual Research Report
民衆運動と移民が湾岸諸国の君主体制に及ぼす影響の動態的研究
Project/Area Number |
24310177
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松尾 昌樹 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (10396616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻上 奈美江 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30584031)
石黒 大岳 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (30611636)
大川 真由子 神奈川大学, 外国語学部, 助教 (70571818)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 権威主義体制 / 移民 / 中東 / アラブ / 石油 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度までに研究計画が前倒しされて進んだため、個別の研究者がそれぞれの研究内容を進化させる期間となった。研究メンバーが個別に海外調査を実施するとともに、海外でのワークショップや学会発表を通じて、積極的に研究成果の公表にも努めた。こうした研究活動の推進によって、数多くの論文が生み出された。 これまでの研究を通じて、湾岸アラブ諸国における権威主義体制の継続には、各国ごとに一定の差異はあるものの、概ね移民の影響が大きいことが明らかとなった。また、移民と国民の競合関係のあり方や、そうした競合を生み出す産業構造の変化が大きな影響を及ぼしていることも明らかとなった。 このような研究の進展とともに、本研究テーマに関する今後の研究課題も明らかになってきた。第一に、権威主義体制の継続と移民の関係が、どの段階で権威主義体制の崩壊に転化するのか、あるいはどの程度の期間、移民は権威主義体制を支える要因として活用することができるのか、という分析課題である。第二に、受け入れ国における移民の待遇に関する国際的な介入がある場合、それが移民と権威主義体制の関係にどの程度影響を与えるのか。第三に、湾岸アラブ諸国以外にも移民が政治体制の安定性に利用される場合があり得るが、そこでは移民と政治体制はどのような関係を作り得るのか。第四に、このような国際的な移民をめぐる問題を考慮し、移民を媒介とした受け入れ国と送り出し国の関係は、質的な変化を生み出すのだろうか。 上記の課題に取り組むためには、湾岸アラブ諸国を対象とする研究の一層の深化とともに、地域研究という本研究テーマが採用した手法を超え、比較政治や国際政治の観点が必要となると予想される。本研究における成果を踏まえ、そしてそれをさらに発展させるために、上記のような研究手法の多様化を検討しつつ、本研究が発展することを今後も検討したい。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)