2013 Fiscal Year Annual Research Report
自然観の展開と人間的営為の運命に関する思想史的・応用倫理学的研究
Project/Area Number |
24320001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
座小田 豊 東北大学, 文学研究科, 教授 (20125579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野家 啓一 東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (40103220)
篠澤 和久 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (20211956)
荻原 理 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00344630)
小熊 正久 山形大学, 人文学部, 教授 (30133911)
後藤 嘉也 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50153771)
佐藤 透 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (60222014)
村山 達也 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50596161)
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
小林 睦 東北学院大学, 教養学部, 教授 (20292170)
原 塑 東北大学, 文学研究科, 准教授 (70463891)
長谷部 正 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10125635)
日野 正輝 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30156608)
戸島 貴代志 東北大学, 文学研究科, 教授 (90270256)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自然観 / 人間観 / 運命 |
Research Abstract |
本研究は、(A)主に西洋における人間観や自然観の変遷を、人間と自然との混交と緊張という側面に注目しつつ、なかでもとりわけ「運命」という概念に焦点を当てながら辿り、その成果を(B)科学技術論や生命・環境倫理における知見、さらには(C)農村・都市の実証研究と照らしあわせながら、自然と人間とのかかわりを考えるための新しいモデルを獲得することを目的としている。 本年度はプロジェクトの二年目にあたるため、前年度に明らかになってきた課題を、まずは各自で考察すること、また、その成果について、各グループのメンバーのあいだで、さらにはグループリーダーのあいだで検討し、最終年度における全体総括の準備を行なうことにとりわけ重点を置いた。また、本研究の成果は最終年度に論文集として書籍化することを目指しており、その具体的な執筆プランについてグループリーダーのあいだで話し合いを行なった。 また、一月一二日には、熊本大学の高橋隆雄教授を招き、災害を主題とした講演会を開催した(高橋氏は、熊本の地域に密着して生命倫理学を展開してこられた、斯界の第一人者である)。当日は、「自然環境の保護を進めるのか、それとも積極的活用を目指すべきか」という二分法の影に追いやられてきた「人間や社会が自然環境から受ける被害(災害)やそれへの対策(防災)」を主題としつつ、本科研の主題に合わせて、日本の神話を手掛かりとし、ケア倫理の枠組みを使いながら、災害・防災について倫理的に考察した講演を行っていただき、本科研分担者とのあいだで活発な議論がなされた。また、研究代表者は、日本建築学会および地盤工学会の代表者と共同討論を行い、その成果を冊子として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はプロジェクトの二年目にあたるため、前年度に明らかになった課題を、まずは各自で考察し、さらに、その成果について、各グループのメンバーのあいだで、さらにはグループリーダーのあいだで検討し、最終年度における全体総括の準備を行なうことにとりわけ重点を置いた。全体会合の数こそ少なかったものの、個別の連携は取られており、研究自体はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
思想史グループAと科学技術論グループBの前年度までの研究成果を、あらためて当初の問題意識や現場の知見と突き合わせ、実践性を高めることを目指す。その上で、本研究全体を踏まえて「〈自然の中の人間社会〉を考える新しいモデル」を具体的にまとめることが最終目的である。 個別に行う研究においては前年通り書籍の購入が中心となる。また、本科研分担者以外の国内外の研究者を招いて研究会を開催し、外からの視点を導入して本研究を批判的に検討する。さらに、年度の中間に、研究成果を社会に発信してその意義を問い、広い範囲の人々との対話を通して研究成果の深化を図るため、公開のシンポジウムを行う。なお、次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことにともなって発生した未使用額であり、平成26年度請求額とあわせて、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じたのは、当初の予定より効率的に研究計画が進行したこと、また、今年度に予定していた国際シンポジウムが関係者の都合により来年度に延期されたことによる。 本科研分担者以外の国内外の研究者を招いてシンポジウムを開催し、外からの視点を導入して本研究を批判的に検討するとともに、研究の一般公開を促進する。また、海外研究者によるワークショップも計画している。
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Research Products
(24 results)