2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
山部 能宜 東京農業大学, 農学部, 教授 (40222377)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 仏教学 / 美術史 / 石窟壁画 / 観経変相 / 禅観 |
Research Abstract |
クムトラ第75窟の題記と壁画の画像処理の結果をふまえてその内容を再検討する発表(講演)を9月にイェール大学,ハーバード大学で,12月にはムンバイのソーマイヤ大学で行った.本石窟の題記は退色のため現状では殆ど判読できず,そのため先行研究でもその内容に関しては種々の推論がめぐらされているのが現状であるが,今回画像処理の結果をふまえることによりかなり確度の高い理解が提示できたように思う.ソーマイヤ大学での学会終了後には,カーンヘーリー石窟・アジャンター石窟・エローラ石窟での見学および撮影(可視光)を行い,今後のインド石窟研究のための見通しを得ることができた. 3月のパリ出張では,ギメ美術館で同館長の許可のもと同館所蔵の観経変相二点に対する可視光・赤外線撮影を行い,特別な照明器具は使用しなかったものの,新規に購入した高性能のデジタルバックによりかなり良好な結果を得ることができた.またフランス国立図書館では,文字とスケッチが重なって判読し難い観経変相の画稿の原本一点を詳細に観察して,画稿の原型を復原するための有益な観察の機会を得たさらにルーブル美術館で美術品の撮影技法に関する多数の資料を収集したほか,担当者と今後の研究遂行に関する協議を行い,セルニュスキ博物館でも今後の研究協力に関する打合せを行った.この出張では現地当局の協力のもと,期間内に希望していた調査をほぼすべて順調に終えることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果の一部について海外で三回の発表(講演)を行った.また,上述の通りインドとパリでの調査・撮影を行い,特にパリではかなりの成果を挙げることができた.全体的には順調に推移していると言ってよいであろう.
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Strategy for Future Research Activity |
中国の石窟壁画を中心に調査・撮影を行い,それとならんで既撮影分の画像の復原を進める.成果に関しては,学会・論文等で随時発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は現地調査の期間が当初の想定より短かったため,人件費・謝金が予定した額を下回り若干の剰余金が生じている.剰余金は本年度購入できなかったライトの購入費用の一部にあてたいと考えている.
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