2013 Fiscal Year Annual Research Report
近江の古代中世彫像の基礎的調査・研究―基礎データと画像蓄積のために―
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24320032
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| Research Institution | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
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Principal Investigator |
津田 徹英 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 室長 (00321555)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 主任研究員 (80392546)
井上 一稔 同志社大学, 文学部, 教授 (40193578)
岩田 茂樹 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部, 部長補佐 (20321622)
中村 佳史 国立情報学研究所, 連想情報学研究開発センター, 特任研究員 (10462186)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 近江 / 仏像 / 神像 / 古代中世 / 文化財 |
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| Research Abstract |
二年目に当る25年度の研究実績は以下の通りである。
（１）滋賀県下での作例の調査として、①甲賀市・大池寺阿弥陀如来坐像（平安後期）の調査・撮影、②甲賀市・檜尾寺千手観音立像（鎌倉時代）の調査・撮影、③甲賀市・檜尾寺釈迦如来立像（鎌倉時代）の調査・撮影およびX線透過撮影、④大津市・新知恩院釈迦涅槃像（鎌倉時代）の調査・X線透過撮影、⑤近江八幡市・浄厳院阿弥陀如来坐像の光背飛天（平安後期）の調査・撮影、⑥近江八幡市・浄厳院釈迦如来立像（旧慈恩寺本尊、鎌倉時代）の調査・撮影、⑦近江八幡市・浄厳院楼門上安置の広誉上人坐像（慶長銘）ならびに僧形坐像（江戸時代）の調査・撮影。なお、④についての調査成果は大津歴史博物館により新聞発表を行った。また、⑦については400年近く楼門上にて吹きさらしの状態であったが、文化財保護の観点から、市史編纂室と連携し、住職・門信徒の了解を得て、本堂内の脇壇上に安置・収蔵することにした。
（２）関連作例調査として、東京国立博物館吉祥天女像（平安時代、京都府亀岡市万願寺・大宮神社伝来）の調査・熟覧を実施した。同像は26年度に調査を行う大津市園城寺護法善神堂主神・護法善神立像と非常に近い像高と作風を示す点に注目して調査実施に至った。
（３）成果の公表（学会発表）として、津田徹英「平安後期の飛天光背の展開をめぐって―滋賀・浄厳院像、同・西教寺像の実査を踏まえて―」美術史学会東部例会（口頭発表）慶應義塾大学2013.11.16．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的として掲げた、奈良・京都に次いで国宝・重要文化財を含む古仏が所在し、日本彫刻史研究の基幹をなし得る名品・名作と認知されながらも、基礎データ（法量・品質・構造・保存状況）や画像の限られる彫像について、地元の教育委員会や博物館・美術館と連携して調査を行い、データと画像は地元教育委員会等と共有し、地元における文化財保護・保存活動、ならびに、展示活動を含む地元の博物館・美術館の情報発信にも貢献することに寄与できたことから、達成度を「（2）おおむね順調に進展している」とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる本年度は以下の作例の調査を行う予定である。
①大津市・園城寺護法善神堂護法善神立像（平安時代）、訶梨帝母像（鎌倉時代）、愛子像（時代未詳）の調査・X線透過撮影、②同金堂所在の不動明王立像（平安時代）、③近江八幡市願成就寺地蔵菩薩立像（平安時代）、④栗東市・金勝寺僧形坐像・女神像、⑤長浜市鳥居堂男神立像、⑥近江八幡市浄厳院厨子入銀造阿弥陀如来立像、
あわせて、三年間に行った各作例の調書をまとめて報告書の刊行を目指す。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大津市歴史博物館の配慮により、撮影機材類を留め置くことが可能となったことにより当初計上していた、現地への機材輸送費用が軽減できた。また、撮影費用のカット数を一部少なくしたためその分、撮影委託料が軽減した。それらにより次年度使用額が生じた。
本年度は最終年度であり、報告書制作にあたり、使用図版のカット数を増やし、内容を充実させるために、その費用に充当したい。
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