2013 Fiscal Year Annual Research Report
西洋舞台芸術の解体~アジアから欧州を読み解く対話と身体芸術論の変遷~
Project/Area Number |
24320037
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北村 明子 信州大学, 人文学部, 准教授 (40334875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楜沢 順 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (50337713)
兼古 昭彦 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40626636)
荒谷 大輔 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (40406749)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 舞台芸術論 / 振付論 / 身体表現 / 芸術一般 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 / コンテンポラリーダンス / メディア芸術論 |
Research Abstract |
本年度は、とりわけインドネシアの多様な文化背景に着目し、インドネシア国内の複数の異なる地域における、武術、伝統舞踊、伝統音楽についての技法と現代における発展性を、フィールドワークを通してリサーチ・分析した。国内においては、武術、演劇、音楽領域から新たな招聘講師を招いて実践的な研究会、ワークショップを実施。更に、他アジア諸国にて研究発表、レクチャー、ワークショップを実施し、現地にて専門からと情報交換、議論を実施。 □身体技法研究:インドネシアの武術プンチャック・シラットの身体技法についてのフィールドワークを行い、その地域、流派ごとの多様性に着目し、スンダ地方でのリサーチを主とした。Perisai Diri, Panlipur, Cikalong,Garis Paksi など様々な流派の舞踊と武術、音楽の関連性についての映像資料、文献資料を現地にて収集。専門家らとの情報交換を行った。国内ではPanlipurの師範Trisna Irawan氏, Perisai Diri 派のSigit Prakoso 師を招聘し、その動きの実践解説を公開WSとして実施し、その技法を理論的に分析、考察できる映像資料、また、アーカイブとなる資料整備を行った。更に現代舞踊における振付方法の考察を実践的に舞踊家らと行った。 □舞台映像・音楽研究:楜沢順、兼古昭彦を中心に、映像コンテンツを制作、振付実践研究を記録。作品構成についてYudi Ahmad Tajudin (演出家)、森永泰弘(音楽家)、山田咲(映像作家)を含め、音楽・映像・身体表現を融合した実践研究発表を実施。 □分析・ドキュメンテーション:荒谷大輔を中心に、村尾静二(総合研究大学院大学学融合推進センター助教)、早田恭子(日本プンチャックシラット協会会長)らと定期的に研究会を開き、実践研究内容全体について分析・評価し、webサイトにまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧州への研究渡航実施予定であったが、海外の研究者・専門家らの来日により、国内にて充実した研究内容を進めることができた。変わりに、インドネシア周辺、アジア諸国でのリサーチを広げる機会を得たことで、シンガポール、香港でのフィールドワークを実施。アジア諸国における西洋舞台芸術の技術・技法や思想の影響をそれぞれの地域において調査し、主に舞踊について、現地における伝統舞踊技法に対する距離感や影響をリサーチ・分析し、主に舞踊身体語彙研究における情報交換、レクチャー、ワークショップを実施することができた。また、ASEANの交流企画で来日したインドネシア武術家らの協力により、国内でワークショップ、レクチャーが実現し、それらを撮影して資料として残すことができたことは大きな収穫であった。研究計画からは少し内容を広げた形になるが、より充実した研究方法をとることができ、内容を深める結果となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究計画書通り、25年度の研究活動をふまえ国際共同舞台制作を実施。引き続き、インドネシアとの共同制作を主軸に構え、インドネシア他、香港、ベトナム等、アジア諸国にてのフィールドワーク、研究発表を予定。欧州・北米などにおける国際共同舞台芸術制作体制、方法論についてリサーチを同時進行で推進する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、欧州、北米への渡航を計画していたが、会合予定であった専門家・研究者が来日し、新たな課題の打ち合わせを経て、次年度の使用額の必然性が生じたため。 H26年度の経費とあわせ、北米・欧州への渡航、長期フィールドワーク、研究会へと使用する。
|
Research Products
(12 results)