2012 Fiscal Year Annual Research Report
中東・北アフリカ地域における音文化の越境と変容に関する民族音楽学的研究
Project/Area Number |
24320040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
水野 信男 兵庫教育大学, 名誉教授 (50032511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 正樹 成蹊大学, 文学部, 教授 (10209281)
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10177230)
西尾 哲夫 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (90221473)
斉藤 完 山口大学, 教育学部, 准教授 (10403635)
谷 正人 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (20449622)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 民族音楽学 / イスラム / アラブ音楽 / 音文化 / 表演文化 / ベルベル人 / 楽器 / 沙漠 |
Research Abstract |
本研究は中東・北アフリカ地域に暮らす人びとが育む多彩な音文化の現代の状況を、その「境界性」に着目しながら、できるかぎり動態的にとらえ、分析研究することを、おもな目的としている。 平成24年度は、この目的遂行のため、(1)フィールドワークをともなう各個研究、(2)合同研究会を、それぞれ、当初の計画どおり実施した。 1.フィールドワークをともなう各個研究 研究代表者、研究分担者それぞれに調査地点をさだめ、調査を実行にうつしたが、そこでは、現地に根ざす音文化について、さまざまのケーススタディを体験することで、個々に応分の研究成果をおさめた(「コーラン朗唱」「ベルベル人の詩と音楽」「アラビアンナイトのなかの音」など)。ただ、中東地域の民主化要求運動にともなう混乱状態などのため、当初の計画は、かなりの程度、変更を余儀なくされた。その場合、フランス、パリのアラブ世界研究所での資料研究、ヨーロッパの中東民族移民の調査などに重点をおいた。 2.合同研究会 研究代表者、研究分担者、研究協力者(2名)により、2回実施した。そこでは、科研の各構成者のフィールドワークの研究成果の報告、また個々の研究課題(「楽器について」「アラブ音楽の旋法について」など)の発表と討議をおこなった。 当該年度の研究は、総じて、本研究の最終目的、論文集『アラブ音楽概論』(仮題)への具体的足がかりをつかむことができた点で、有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中東・北アフリカ地域の民主化要求運動等にともなう混乱状態などで、フィールドワークが当初の計画どおりすすまなかったが、とくにフランス、パリのアラブ世界研究所での資料研究、ヨーロッパの中東民族移民との接触などにより、全体の研究計画には、それほど支障をきたさなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(平成25年度)は、国内外のフィールドワークをともなう各個研究を続行し、これを合同研究会(年度内2回を予定)ともタイアップさせる。最終年度(平成26年度)に刊行予定の、論文集『アラブ音楽概論』(仮題)にむけ、具体的な準備にはいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内外のフィールドワークをともなう各個研究のための旅費、および合同研究会旅費に、科研費のおおかたを割く。そのほか、アラビア語およびフランス語文献の、解読と整理をおこなう。必要な楽曲分析機器を購入する。
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Research Products
(12 results)