2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
草原 真知子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40271366)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ビデオアート / 前衛芸術 / メディアアート / デバイスアート |
Research Abstract |
日本のメディアアート史関連の資料の収集について、年間を通じて東京都写真美術館、国立近代美術館、神奈川県立近代美術館等で開催された関連展示を見学、シンポジウムに参加し、多くの新たな知見を得た。アーティストへのインタビューを行い、1月には60年代-70年代に活躍した主要なビデオアーティストたちを招いてシンポジウムを開催し、当時の状況について自由活発な議論が行った。この趣旨はオフィシャルな資料や個別インタビューからはこぼれ落ちがちな当時の状況を思い起こしてもらうことで新たな発見を得ることであり、このような場が有効であることが確信された。当事者からも参加者からも、今後このような企画を継続することへの強い要望が寄せられ、一次資料の掘り起こしのためにもこのようなシンポジウムの更なる展開を考えている。 また、日本のビデオアートのパイオニアへの一連のヒヤリングを行った。シンポジウムの企画及び司会としても協力いただいたUCLAのProf.Huhtamoの協力を得て、当時の国際的な状況と日本のそれとの関係を中心に質問を行った。これは現在の日本における当該分野の研究が、ともすれば国内の視点のみに偏りがちであることから、特に最初から国際交流がきわめて盛んだったビデオアートの分野について新たな視野を開こうとするものである。 情報の発信については、中国で開催された国際会議において日本のメディアアートの現状についての報告を行い、アート、サイエンス、テクノロジーの関係について日本と中国等の違いについて意見交換を行った。また、当該分野について英文の論文を2つ依頼されて現在執筆中であり、これは2013年度中にアメリカで刊行される予定である。さらに2013年2月にプラハで開催されたDevice_Art展のキュレーターの一人として、日本からガジェット系の作品を選定し、展示に必要な業務を遂行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料のデータベース化は思うように進まなかったが、書籍、論文、CDなど関連資料の収集は進んだ。さらにトークセッションの実施とアーティストへのヒヤリングによって今後の資料収集の方向付けができた。国内での関連展示がいくつもあり、多くの知見を得ることができたが、NYのMoMAで開催された戦後日本芸術に関する重要な展示が、大学の授業や入試のために見に行くことができなかったのが悔やまれる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、メディアアートにつながる戦後前衛芸術関係者を招いたシンポジウム(第一回は5月末を予定)、ヒヤリングを行う。メディアアート・美術史関係の国際会議に出席して意見交換を行い、論文の執筆を進める。 資料のデータベース化について検討し、より良い方法を見出す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2月にNYのMOMAの展示を見学して資料を収集し、関係者と意見交換を行う計画であったが、入試期間中の禁足と校舎移転による諸事情で2-3月の海外出張が不可能になった。この分は2013年度に計画している資料収集(主に海外)に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)