2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポストエスニック時代の文学におけるオムニフォンの意義
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24320068
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
土屋 勝彦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90135278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敬子 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (70197440)
沼野 充義 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (40180690)
今福 龍太 東京外国語大学, その他部局等, 教授 (10203324)
管 啓次郎 明治大学, 理工学部, 教授 (00328965)
谷口 幸代 お茶の水女子大学, その他部局等, 准教授 (50326162)
山本 明代 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (70363950)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オムニフォン / 越境文学 / ポストコロニアル文学 / ボーダーランド / 世界文学 / 群島 / 他者性 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は、越境、移民、植民、離散、強制移住等によって母語を喪失ないし内化し、居住国の言語による文学創造に向かった越境的作家たちの諸作品に通底する多層的多重的な文学ディスクールのあり方を、ポストコロニアル文学理論やポストモダン文学理論といった歴史的視点のみならず、空間的な同時性をとらえる「群島的思考」から再検討することにより、そこに相互反響する「オムニフォン」の動的構造を解明することにある。今年度は、11月にシンポジウム「文学における間文化性-地域的、国民的、大陸的アイデンティティの諸相」を開催した。これはドイツ語圏の越境作家6名が一堂に会して、多言語・文化性、アイデンティティをめぐって発表と討議を行ったものであり、その成果を報告集としてまとめた。招待作家は、レオポルト・フェダマイア、アンナ・キム、テレツィア・モラ、イルマ・ラクサ、ザビーネ・ショル、多和田葉子の6名である。複数言語の狭間に生きる現代作家たち、あるいは多言語の海に浮遊する多層的多元的な越境作家たち、彼らの目に映るアイデンティティ、異邦性、他者性、文学言語、国民文学とは何か、また彼らがドイツ語作家であることの意味は何か、規範的なドイツ語表現からの逸脱と革新、新たな表現の可能性はどのように開かれるか、などアクチュアルな文学的諸問題について、多言語性や異質性の主題と向き合っている越境作家たちによる熱い討論が行われ、オムニフォン的な世界文学の諸相について知見を深めた。また本研究者たちは、それぞれの主題について研究を継続し、それぞれの成果を学会誌や紀要などに発表し、学会などでも口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究者は、それぞれの研究を精力的に継続しつつ、国際シンポジウムを開催し、世界文学におけるオムニフォンの諸相について知見を深めることができた。また学会誌や雑誌、紀要などにその成果の一部を発表し、学会などでも発表・講演した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もシンポジウムの企画をはじめ、精力的に共同研究を推進していく予定である。また最終年度として研究の総括を行う。具体的には11月にシンポジウムを開催し、南欧語圏およびアジア地域の文学に関して、若手・中堅の研究者たちを招待して世界文学におけるオムニフォンのあり方を探求する。そしてそれらの研究成果を論集にまとめ出版に向けて鋭意尽力する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度にシンポジウムを開催す予定であり、旅費・人件費確保のために予算の一部を残した。 シンポジウムに招待する若手研究者たちの旅費および宿泊費の補助を行う。
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Research Products
(24 results)