2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320119
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
菊池 誠一 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (40327953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 泰三 公益財団法人出光美術館, その他部局等, 学芸員 (60392883)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日越交流史 / 近世史 / 考古学 / 美術史 / 陶磁器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本と東南アジアの交流を物語る近世史資料を系統的に集成し、先学の研究を再検討するとともに、考古学と史学、美術史の垣根をこえた資料学としての日本と東南アジアの交流史の開拓を目的としている。そのため、朱印状や安南国書、絵馬、日本及び東南アジアで日本商人が残した貿易関係文物、漂流関係史料、伝世及び考古遺物として出土している交易品などの史資料を資料化するとともに、あらたな史資料を探索し、調査研究を行う。本研究の成果は、研究者間に研究材料を広く公開し、近世対外交流史をあらたな段階へ昇華させ、日本と東南アジアの交流史にあらたなテーマを構築するものである。 平成26年度の調査実施は下記の通りである。 ①国内や海外で調査を実施した。とくに海外ではベトナム・ホイアンで出土した陶磁器の実測作業を実施し、数百点の陶磁器の資料化を終了した。また、アメリカの博物館(国立スミソニアン協会、ボストン美術館、メトロポリタン美術館)所蔵のベトナム陶磁器を調査した。②平成25年に実施した国際シンポジウムの報告書(『14・15世紀海域アジアにおけるベトナム陶磁の動き』)を刊行した。また、代表者の菊池が「江戸時代のベトナム・ホイアン漂着事例」と題して、安南国漂流記の写本の翻刻・紹介を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナム人研究者を招聘し実施した国際シンポジウムの報告集を刊行したこと、また安南国漂流記の翻刻・紹介をしたこと、など計画したことが順調に進んでいる。また、海外調査では、ベトナム・ホイアン出土陶磁器の整理作業が終了し、資料の公表の段階に進んだことである。あらたにアメリカの博物館所蔵ベトナム陶磁器の調査にも手がつけられたことなど、海外調査は順調に進展しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の調査を引き続き推進すること、ベトナム・ホイアン出土陶磁器の資料集を刊行し、さらなる資料集成とその刊行をめざすことである。
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Causes of Carryover |
ヨーロッパ調査を予定していたが、今年に入りテロが頻発し、調査をとりやめた経緯がある。その未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の未使用額を含めて海外調査で使用する。
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