2013 Fiscal Year Annual Research Report
復元的手法による東大寺文書研究の高度化―『東大寺文書目録』後の総括・展望―
Project/Area Number |
24320124
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 基郎 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (40251475)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 嘉記 中京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40609202)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 東大寺文書 / 古文書データベース / 寺院史料論 / 荘園史料論 / 寺院組織論 |
Research Abstract |
東京大学史料編纂所ユニオンカタログDBから、未成巻文書全点のWEB上での検索を可能とした。また本所閲覧室においては、同データベースからの未成巻文書の高精細カラーデジタル画像の閲覧を公開した。現在分離している文書のうち、連接表示機能の運用を開始した。連接判明のデータ244件について、同じくユニオンカタログから公開した。 影写本など複製本の異なる同一のデータについて、ユニオンカタログの統合機能を使用し整理した。これにより従来、必要であった同定作業を省くことが可能となった。同じく統合機能を使用して、『大日本古文書 東大寺文書』と写真帳『未成巻文書』との統合を行った。これにより、この間の編纂の成果とのシームレスな利用が環境が整った。 道具類の整備においては、別当・寺務代・後見などについての一覧を作成した。また年預五師および諸年預の補任表の作成に着手した。 記録部中世分史料の解題作業ついては、昨年度よりの141架(96件)につづき142架(64件)の作業が完了した。またその伝来情況についての新たな知見を特任研究員畠山聡が解明しつつある。 東大寺塔頭宝珠院の所蔵する東大寺法華堂伝来文書のうち中世分を中心に調査・撮影を行った。対象200件弱である。 2014年2月21日に研究会を開催した(参加者12名)。この間の成果を盛り込んだ『大日本古文書 家わけ第18 東大寺文書之22』を刊行し、分離文書の復元、無年号文書の年号比定、関連文書情報掲載など、学界に新たな情報を提供した。この他、分担研究者小原嘉記は、市民向け刊行物において黒田庄を紹介のコラムを担当するなど、成果の社会還元を果たしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の基盤となるデータベース整備(関連データやカラーデジタル画像とのリンク)によって、『東大寺文書目録』およびその後の学術成果についての利用環境を高度化できたため。文書以外の記録史料を利用する基盤を調えつつあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
文書名修正、欠損文書復元、無年号文書の年次比定についての作業は、そもそもの困難さもあって進んでおらず、今後重点化する。 成果の公開については、現在東京大学史料編纂所ユニオンカタログDBのみであるが、研究会の概要などを研究代表者のサイトよりも発信する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な未執行経費は、データベース登録作業経費と調査旅費である。このうちデータベース登録経費は、登録データの整形が行き届かなかったためである。また旅費は調査先の事情(建物内改修工事)により調査が実施できなかったためである。 登録データ整備後に登録作業を発注する。未執行の調査を実施する。
|
-
-
[Journal Article] 世親講供料引付について2014
Author(s)
小原嘉記
-
Journal Title
『東大寺図書館所蔵新修東大寺文書聖教調査報告書第46函~第77函 平成21年度~平成25年度科学研究費補助金(基盤研究(B))「南都における廃仏毀釈後の資料動態に関する調査研究」研究成果報告書第2冊』
Volume: 2
Pages: 19,42
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-