2012 Fiscal Year Annual Research Report
戦後沖縄の平和運動に関する個人資料群の公開・活用モデルの構築と実証的研究
Project/Area Number |
24320133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
鳥山 淳 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (60444907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉浜 忍 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (30369201)
藤波 潔 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (20328652)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 沖縄 / 平和運動 / 個人資料 |
Research Abstract |
本研究の課題は、沖縄の平和運動研究にとって重要な個人資料群の内容を詳細に調査し、その活用モデルを構築することにある。そのために必須となる目録データの作成は、沖縄県伊江村に保管されている阿波根昌鴻資料について作業を着実に進め、研究期間の2年目となる平成25年度末までに作業を終える見通しが立ってきている。それによって得られた目録データを活用しながら、デジタルカメラによる撮影を行うべき資料の選別に着手するとともに、将来の公開を前提にしたかたちで撮影データの蓄積方法を確認・検討することができた。 同資料の調査によって、1950年代から90年代にかけて沖縄の基地問題をめぐって取り組まれてきた平和運動に関する一次資料や写真を数多く確認している。伊江島の基地問題に関する資料のほか、県内外の運動団体の文書や発刊物などが多数含まれており、これまで沖縄県内の図書館・公文書館などに所蔵が確認されていない貴重な資料となるため、その活用によって沖縄現代史の記述をより詳細なものとしていくことが期待できる。 沖縄国際大学の南島文化研究所が所蔵している大山朝常資料については、第一段階として資料群の概要を把握する作業を行い、平成25年度には本格的に目録データの作成に着手することが可能となっている。 復帰前にコザ市長をつとめていた大山朝常の資料には、当時の行政や議員活動の記録が多数含まれていることが確認できた。今後の作業でその内容を詳細に把握することによって、基地問題を抱えた都市地域としてのコザの動きを捉えるための資料的な基礎を得ることができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定していた阿波根昌鴻資料の目録データ作成については、集中的な作業を2回実施して、着実に進展した。その成果を基にして、優先的にデジタルカメラによる撮影を行う資料の選別も進めている。他方で大山朝常資料については、平成24年度に資料群の概要把握を行い、平成25年度から本格的な作業に入る段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
阿波根昌鴻資料については、前年度と同様に2回の集中的な作業期間を設けて、目録データ作成とデジタルカメラによる撮影を進める。大山朝常資料については、継続的な調査態勢を整えて、目録データ作成を進展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大山朝常資料の概要把握においては人件費の支払いが生じなかったが、今後の目録データ入力作業では大学院生を中心として調査態勢を整え、作業量に応じて人件費を使用する。伊江村で行う阿波根昌鴻資料の調査では、連携研究者・研究協力者をふくめて旅費を使用する。
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Research Products
(7 results)