2012 Fiscal Year Research-status Report
「アラブの春」の社会史的研究―エジプト「1月25日革命」を中心に―
Project/Area Number |
24320138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大稔 哲也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (10261687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 美佐子 名古屋商科大学, コミュニケーション学部, 教授 (80321024)
山岸 智子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50272480)
岩崎 えり奈 共立女子大学, 文芸学部, 准教授 (20436744)
齋藤 剛 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (90508912)
植村 清加 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (30551668)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アラブの春 / エジプト1月26日革命 / エジプト / アラブ |
Research Abstract |
本年度は初年度ということで、各自が比較検討の対象を選りすぐり、3年間の個別研究テーマを模索し設定しようと努めた年であった。 まず第1に、若手研究者を中心に国内で2回、研究会を開催した。2012年7月29日には、代表者が全体の見通しと総論的な問題提起を行なったのち、岩崎えり奈氏(分担〉がエジプト農村部における革命の意義を豊富な統計資料を駆使して検討した。また、チュニジアとの比較も含まれていた。ついで、12月8日には、鳥山純子氏(連携・お茶の水女子大)がエジプトにおける家族調査の結果をもとに革命を分析し、後藤絵美氏(連携・東京大学)はエジプトにおける女性のヴェール着用や結婚難問題についてイスラーム社会学の視点から論じた。さらに竹村和朗氏(東京大学)はエジプトの新憲法草案の試訳を提示した。これらの研究報告をもとに、歴史学・社会学・宗教学・人類学など、多種のディシプリンに基づき、アラブの春についての熱心な討議が行なわれた。 第2に、齋藤剛氏(分担)がチュニジアとパリ、鳥山純子氏がエジプトにおいて海外調査を行なった。その報告は2013年度の研究会においてなされる予定である。第3に、現地との研究連携についてである。代表者はエジプト国立文書館、アレクサンドリア図書館、エジプト文化省、及びカイロ大学の関係者と現地で意見交換を行なったが、いずれも資金不足や革命後の混乱の中で革命記録のプロジェクトを中断しがちであった。また、鳥山氏はカイロ・アメリカン大学の関係者と情報交換を行なった。さらに、代表者はエジプトの革命後に文化大臣を務めたエマード・アブー=ガーズィー氏とも意見交換し、2013年度に本科研で招聘する研究者の選定を行なった。さらに、12月11日には来日したハサン・アン=ナビー氏とチュニジアの「アラブの春」後の状況について、前出の岩崎氏と共に懇談した。 第4に、各人が研究論文や口頭発表の形で、本科研関連の成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2012年度は、予定通りに若手研究者を中心とした国内研究会を2回開催した。また、齋藤剛氏と鳥山純子氏がそれぞれモロッコ、エジプトへ赴き、アラブの春に関連するフィールドワークを行なった。さらに、代表者(大稔)がエジプトにおいて、アレクサンドリア図書館等の研究機関の関係者と懇談した。その上で、研究分担者・連携研究者各自が、比較検討対象を選りすぐり、研究テーマを設定するよう努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、エジプト1月25日革命を中心に「アラブの春」の実態解明とその歴史的考察を深める。また、現地への調査派遣を継続するとともに、現地からの研究者招聘も行なう。さらに、若手研究者を中心として、国内研究会を年3回開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、現地調査1名、現地からの研究者招聘1名に海外旅費を充てる。また、国内研究会を3回程度開催するため、国内旅費にも使用する。そして、その他の費目にもわずかながら費用を充てる。
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Research Products
(23 results)
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[Book] 世界史史料2012
Author(s)
歴史学研究会編(池田美佐子部分執筆)
Total Pages
406(担当部分37-39)
Publisher
岩波書店