2015 Fiscal Year Annual Research Report
縄文時代における長期継続型地域社会の変容と弥生時代への変遷に関する研究
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24320159
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 教授 (10221730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋泉 岳二 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20237035)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 縄文時代 / 生業 / 地域社会 / 社会変動 / 狩猟採集社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度として、縄文時代の後期から晩期にかけての文化衰退の主要因とされてきた気候寒冷化とそれを反映すると考えられる水産・陸上動植物の資源利用形態および遺跡群の構成の相互関係について議論をすすめた。 その結果、水産資源に関しては、寒冷化の指標種である魚種が貝塚から発見されていないこと、最温暖化の時期に生息圏を拡大した貝種が後期や晩期にまで残存している事実を明らかにした。また植物質食料の利用形態もドングリに加えトチなどの堅果類が加わる利用形態の重層化が認められることが明らかにできた。環境変動の指標的な現象として認識されてきた海退現象も寒冷化だけが要因ではなく、地域的には沖積地の埋積作用が関係することがわかってきた。さらに後晩期の遺跡群は中期の集落が広域な範囲での均質的な分布を示すのに対して、群集する地域が限定化される反面で、群集する地域内に形成された集落群は、中期の集落の継続期間の倍近い長さの年代の継続性を示すこと、集落群間での相互補完的な生業活動や集約化された祭祀の執行などが認められ、それまでにはない地域社会内での構造の複雑化が指摘できた。 以上のような複数の視点からの分析成果より、これまで描かれてきた縄文中期を繁栄の頂点とした歴史観は再検討の余地があることを指摘した。ただし、弥生時代初頭と縄文時代の終末期の状況に関しては、遺跡数の激減が顕著であるため、両時代の変遷に関する議論は今後も継続して続ける必要がある。 本研究の成果の1つとしては、多視点的な分析手法から、この問題を扱う研究環境を整備できた点があげられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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