2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅原 和孝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (80133685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大治 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40242573)
舟橋 美保 (石井 美保) 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
細馬 宏通 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90275181)
大村 敬一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (40261250)
亀井 伸孝 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50388724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生業技術 / 身体性 / 相互行為秩序 / ろう者の会話 / マルチモーダル民族誌 / 芸能集団 / 踊りの型 / 触手話 |
Research Abstract |
本研究の目的は、身ぶりを基軸として相互行為に関わる視聴覚資料を統合し、通文化的な視野を確立すること、また、映像人類学、コミュニケーション科学、心理言語学、生態心理学との学際的な連携を通じて、文化人類学に新たな理論枠を提供することである。この目的に沿って以下を実施した。 ◎全体の活動 年5回の研究会を開催し、全体計画と各自の研究計画とのすり合わせを行うと共に、メンバーの半数が自らの研究の現段階での進捗状況を発表した。 (1)計画の趣旨確認/菅原「グイの身ぶり論序説」 (2)坊農「手話の中の身ぶりと言語:手話会話のアノテーションとトランスクリプション開発」 (3)岩谷彩子「インドの蛇使い芸能集団の身体技法」/大村「イヌイトの養育における身体と発話」 (4)岩谷洋史「フィールドの『雰囲気』をどのように考えるのか:酒造りの製造現場を事例として」 (5)坊農他「日本手話と触手話の関連」(国立情報学研究所の協賛) ◎個人別の研究活動 (1)菅原は出来事を再現するグイの語りで頻発する生業動作を分析した。(2)木村と亀井は数学者の討議場面での身ぶりを身体性の観点から考察した。(3)大村はイヌイトの生業技術伝承における身ぶりと発話の連関を解明した。(4)細馬はじゃんけんや田楽舞の練習場面におけるリズムとタイミングの一致を究明した。(5)石井は南インド・マイソールの寺院祭祀における踊り手の所作の型を記述した。(6)岩谷彩子は北西インド・カルベリア民における芸能の所作と共同体の記憶との関連を探究した。(7)坊農は日本手話を用いるろう者の会話を文字資料に変換する方法論開発に着手した。(8)岩谷洋史は、酒造現場での参与観察を進めると同時に、身ぶりのデータベース構築を試行的に進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年5回の研究会を予定どおり開催し、メンバーの半数が研究発表を行うことができた。また、個別の分析も順調に進展しており、研究成果の出版・刊行・学会等の発表も非常に活発に行うことができた。ただ、ウェブサイトの構築が当初計画よりも遅れていることが、やや不充分な点である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会においては、未発表のメンバー全員が研究発表を行い、理論枠を共有する。さらに、身ぶりと手話の専門家を招聘して発表と討議を行い、視野の拡大に努める。また、ウェブサイト構築を完遂し、研究成果の公開を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度交付分の基金のうち288,176円を平成25年度分に繰り越した。研究代表者の菅原は、平成25年8月~9月に南部アフリカのボツワナで狩猟採集民グイの身ぶりに関する資料を収集する予定だが、平成25年度交付予定金額は平成24年度の約7割なので旅費が不足するおそれがあるため、海外調査旅費の補填に充当する予定である。
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Research Products
(48 results)