2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24330074
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照山 博司 京都大学, 経済研究所, 教授 (30227532)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 賃金格差 / 自営業 / 非正規雇用 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、日本の賃金格差の現状把握と、その労働経済学的メカニズムの追及にあった。そして、2000年代以降の賃金格差を再検討した結果、男女で様相が異なることを確認し、とくに男性において、事業所間の差異が賃金格差拡大の主要因であることを指摘した。本研究は、当初の計画をさらに進めて、労働市場のみならず社会全体の視点から事業所間格差を眺望する段階に至っている。現在のところ、いわゆる日本的雇用慣行は大きくは崩れておらず、非正社員の増加は自営業の衰退と表裏をなしていたことまでは判明した。つまり旧来自営業が担っていたビジネス領域が会社組織を前提とした雇用関係によって吸収され、「労働市場そのものが拡大したこと」を考慮する必要があることまで辿り着いた。「労働市場そのものが拡大した」とは、旧来労働市場が想定していなかった領域で労働市場が働かなくてはならなくなったことを意味する。換言すれば、当該領域での経済活動を制御する諸関係は、旧来自営業を想定していたインフォーマルな社会関係から、会社組織や雇用関係を想定するフォーマルな社会関係に大きく変貌を遂げたといえる。研究分担者・研究協力者と話し合ううちに、問題は、こうした領域では、商慣習に制度的イナーシアが強く働いており、雇用仲介を典型例として仲介活動に支障をきたすようになってきた可能性が示唆されたことにある。本研究は、政府統計の利用を念頭におき、伝統的労働経済学に則った実証分析を指向していたため、社会の構造変化を分析する新たな着想や、既存研究の不足する領域でオリジナルなデータを構築することは前提としていなかったので、「仲介」をキーワードに研究計画全体を練り直し、独自の標本調査の実施を想定したうえで、一般的メカニズムを探求する研究計画を再構築する必要が生じた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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