2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本の労働市場の非正規化とその厚生分析への構造推定アプローチ
Project/Area Number |
24330077
|
Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
田中 隆一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (00397704)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 亮 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (70431658)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 経済理論 / 計量経済学 / 労働経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の3年目にあたる平成26年度は、引き続き理論モデル構築とデータ作成を同時に進めてきた。新規大卒者と企業とのマッチングについての理論モデルの考察およびその推定方法についての議論を経た結果、どのようなデータを構築すればマッチングモデルの推定が可能になるのかについておおよそが明らかになり、それにあわせたデータの整備をさらに進めることができた。その結果、1997年のデータに関しては、リクルートデータと大学ランキングデータの接合ができたため、大まかな産業分類や大学ランキングごとのマッチングの特性についての分析に着手することができた。 パネルデータを用いた非定常的サーチモデルの推定に関しても進めることができた。推定に用いるデータは慶應義塾大学のパネルデータであるが、複数のパネル調査や新たなウェーブを追加することで推定に用いるサンプルを増やすことができた。さらに、非金銭的な便益のある非定常ジョブサーチモデルの推定も試みることができた。最終的な推定結果にいたるまでには、まだ細部を検討する必要が残されてはいるが、基本となる推定プログラムもある程度安定的に動くことを確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
就業や就職に関するモデルの推定に用いるデータの収集および整理ができ、データの収集に関しては大まかな部分に関しては終えることができた。また、昨年度に引き続き、ニューヨーク市立大学のOrtega先生とEsteban先生を訪問し共同研究の打ち合わせを進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度から開始した新卒労働者と企業とのマッチング・データベースの作成の一環として1997年および1987年のデータベースの構築がおおむね完了したので、それらのデータを用いて理論モデルの推定作業を進めてゆく。また、海外からの研究者の招聘やコンファレンスへの参加を通じて、国際連携をさらに進めてゆく。
|
Causes of Carryover |
リクルートデータのデータベース化に合わせて、企業財務データとのマッチングをさらに進める予定であったが、高いマッチ率が期待され無いことがわかり、さらなるデータベースの購入を見送ったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
東京商工リサーチなどのでデータベース購入および海外からの研究者の招聘を予定している。
|