2012 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の経済発展における社会ネットワークの役割-社会実験とミクロデータによる分析
Project/Area Number |
24330082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸堂 康之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30336507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATOUS Petr 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (70508192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済発展 / 社会ネットワーク / 社会実験 / 応用ミクロ計量経済学 |
Research Abstract |
本研究は、開発途上国の農村や地方都市において、社会ネットワークがどのように情報や技術の伝播に作用し、ひいては農業・製造業の技術普及、農外活動(製造業・サービス業)の発展、地域の産業集積などの経済発展の要素に影響するのかを定量的に分析しようとするものである。そのため、3つのサブテーマを設定しているが、以下にそれぞれについての今年度の成果を報告する。 [1]エチオピアの農村における農業技術の伝播 農民が携帯電話を持つことで社会ネットワークの構造が変化し、農業技術伝播に与える効果を推計し、複雑な技術の伝播には、ネットワークが信頼関係をともなっていることやネットワークを通して複数から情報が伝播することが必要であることが見出された。これらの結果は、学会や国際学術誌で発表した(以下の研究業績の全てがこのサブテーマに関連したものである)。 [2]エチオピアの小規模地方都市におけるアパレル産業の集積の発展 テーラー(仕立て屋)のネットワークが企業の成長や地方の産業集積の発展に与える効果を推計するため、すでに昨年度に調査を行って情報を収集していた150社程度のテーラーに対して再度調査を行った。 現在、得られたデータは入力されて整理され、予備的な結果が得られている。 [3]インドネシアの農村におけるUターン帰村者 Uターンして帰村した者などが大都市と農村とのつながりを創出して農村のネットワーク構造を変化させることで地域の経済発展に与える効果を推計するため、ある農村において300世帯の農家に対してベースライン・サーベイを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記3つのサブテーマのいずれについても、おおむね予定通り研究が進行している。サブテーマ1についてはすでに研究成果が発表され、他の2つについても今年度中に成果を発表できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のサブテーマごとに記述する。 [1]さらに、研究成果の発表を継続して行う。 [2]データ分析を進め、研究成果を発表する。 [3]社会実験を行った後、2回目のサーベイを行い、得られたデータを分析していく。研究成果が得られ次第、発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サブテーマ[2]において24年度に行う予定であった社会実験を中止し、代わりにサブテーマ[3]において25年度に社会実験を行うことになったため、24年度に残金が生じた。これは25年度の研究費と合わせて25年度の社会実験に使用予定である。
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Research Products
(4 results)