2013 Fiscal Year Annual Research Report
戦後ロシアの成長経路と国内・国際産業連関に関する総合的研究
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24330085
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
久保庭 眞彰 一橋大学, 経済研究所, 特任教授 (70111698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 靖 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院・学府, 教授 (60189066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロシア / 成長 / BRICs / TFP / 石油価格 / EU / 国際産業連関 / 付加価値貿易 |
Research Abstract |
本研究の目的は,戦後ロシアについて(1) マクロと産業別のGDP長期成長経路(1950-2014年)を推計・整備すること,(2)成長要因を生産要因と石油価格・交易利得要因について時系列分析すること,(3)国内・国際産業連関構造を通時的・横断的に明確にし,それらを経済発展プロセスとリンクさせて産業連関分析すること,(4)国際比較分析とシミュレーションにより,油価変動やロシア輸出・輸入変動の他国への波及効果と製造業輸出振興政策feasibilityの検討のための基礎情報を与えること,以上の4つである. 平成25年度は,ロシア,インドネシア,マレーシアの生産関数推定・成長会計分析(資本蓄積・雇用・全要素生産性TFPの成長寄与分析),油価・交易条件関数推定・成長会計分析(TFPと,油価方程式のトレンドの比較検討),油価・エネルギー効率関係分析を行った.その結果を比較経済研究のトップジャーナルであるJournal of Comparative Economics に投稿し,査読の結果, 掲載されることとなった.本論文は,通常の生産関数推定に加えて,油価-交易条件-GDP経路と油価-エネルギー効率-GDP経路の統一的分析を初めて行った論文として国際的評価を受けるに値すると考えられる. 平成25年度は,さらに貿易リンケージを重視した2005年BRICs国際産業連関表(BRICsにEU25ヵ国集計表,米日の7地域を内生化)と2005-2010年をBRICs国際産業連関表(BRICsにEU27ヵ国集計表,米日,「その他世界」の8地域を内生化)を整備し,それらを用いた付加価値貿易の実証研究を進展させた.また付加価値貿易について類似の概念・定義の関連についての理論的分析を進展させた.実証成果を国際・国内学会で発表し,理論成果をDiscussion Paperとして公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロシア等新興国の生産関数推定・成長会計分析や油価・エネルギー効率関係分析を行ったので,研究計画に照らしてみておおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に入るので,戦後ロシアのGDPならびに国内・国際産業連関表のデータベースをupdateし,現代的課題に十分対応するよう努め,計量分析の結果を総括し,政策提言をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外研究協力者との研究打合せのためにロシア・北米出張を予定していたが、双方の都合がつかなかったために,E-mailやSkypeの活用によって打合せと情報交換を行ったため、出張の回数を当初予定より減らすことが出来た.また,統計整備に関する作業については、インターネットの活用により,平成25年度については研究補助を必要としなかった.さらに,備品,特にPC関係の購入経費は予定より安価であったことや次年度に延期することが有効と判断されたため,次年度使用額が発生した. 未使用額は,平成26年の研究費とあわせて,主に①国内学会で研究成果総括発表を行うための諸費用,②欧米の学会での研究成果総括発表を行うための諸費用,③研究成果総括ワークショップ開催のための会議費及び招聘旅費,④広く総括成果を公開するための広報用パンフレット作製費用,等に充てる.
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