2012 Fiscal Year Annual Research Report
低経済成長下の企業成長とファイナンス―公開企業と未公開企業の領域横断的研究―
Project/Area Number |
24330102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
忽那 憲治 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00275273)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成長企業 / ベンチャーキャピタル / 株式公開 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本経済を牽引する成長企業を輩出するためめファイナンスのあり方を明ちかにし、意義のある学術的・実践的インプリケーションを提示することにある。 そのためには、公開企業と未公開企業向けファイナンスの領域横断的研究を深化させ、企業のライフサイクルという時系列的変遷を視野に入れた分析枠組みの構築が不可欠である。本研究は、企業のファイナンス活動の一断面のみを対象としてきたこれまでの研究から、(1)公開企業と未公開企業の関連性、(2)未公開企業から公開企業(その逆の公開企業から未公開企業)への時系列的変遷、(3)資金調達・投資・ペイアウト活動の関連性という3つの方向から領域横断的研究を進展させることを目的としている。今年度は、(2)未公開企業から公開企業への時系列的変遷という視点からの研究を進めるために、未公開企業と取引関係にある企業(購入先、販売先の企業)が新規株式公開(IPO)を実施した場合に、当該企業の財務構造およびパフォーマンスにどのようなスピルオーバー効果をもたらすかについて実証分析を行った。本研究の成果は、Kenji Kutsuna,Janet Kiholm Smith,Richard Smith,and Kazuo Yamada,Supply-Chain Spillover Effects of IPOsとしてワーキングペーパーにまとめ、2013年1月に開催されたワークショップで報告するとともに、現在海外ジャーナルに投稿中である。新規株式公開がその企業自身にもたらす効果については膨大な研究があるが、取引関係にある企業に対して及ぼす効果については十分な研究の蓄積がなく、本研究は意義あるものと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
帝国データバンクのデータセットの購入にあたって、最新の財務データの入手を考えて購入時期を遅らせたため、本データを用いた研究についてはやや遅れている。しかし、新規公開企業やベンチャーキャピタル投資に関するデータを用いた分析を前倒しで行っており、こちらの研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
帝国データバンク、新規公協企業、ベンチャーキャピタル投資に関するデータセットの統合をさらに図り、未公開企業と公開企業の領域横断的研究を進属させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、研究の成果を国内外のシンポジウムなどで報告しながら、海外ジャーナルへの投稿の準備を進める。 58,251円は平成25年度経費と合わせて使用する。
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