2012 Fiscal Year Annual Research Report
伊藤忠兵衛家同族による事業経営の研究-総合商社伊藤忠商事・丸紅成立前史の分析-
Project/Area Number |
24330119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
宇佐美 英機 滋賀大学, 経済学部, 教授 (60273398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 聖子 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40301824)
伊藤 博之 滋賀大学, 経済学部, 教授 (20242969)
竹中 厚雄 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30363899)
弘中 史子 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10293812)
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 伊藤忠商事 / 丸紅 / 伊藤忠兵衛家同族 / 本部旬報 / 海外支店 / サンフランシスコ |
Research Abstract |
(1)伊藤忠兵衛家同族事業経営の実態を解明するため、「本部旬報」を輪読して共通理解を深めるという点では、本資料の大部分は謄写刷であることから印刷の不鮮明さや内容が細部のことまで記されていることもあり、字句や史実の事実確認に追われて所期の予定であった明治年間の読了まで至らなかった。しかし、他の関連資料と照合することにより、これまで不明であった史実のいくつかを明らかにすることができた。「本部旬報」に関しては、ノートを公表した。 (2)「丸紅株式会社史資料」については、文書の詳細目録作成に向けて資料を一点ずつ原本校合する作業を進めたが、「伊藤忠商事史資料」については、仮文書目録作成にとどまっている。 (3)第一義的目標とした「伊藤忠兵衛家文書」は、年度内に約9,000点の資料整理・資料調書の作成とデータ入力を実施し、文書群約5万点の仮文書目録作成を終了させることができた。引き続き、複数整理者の作業による書式の不統一や誤読を修正するため、原本校合の作業に着手した。この点は、所期の予想を上回るペースで進んでおり、本目録の作成と一般公開に向けた準備を順調に進めることができた。 (4)伊藤忠兵衛家事業のうち戦前期に所在した海外支店所在地における調査は、ニューヨーク・ボストンとサンフランシスコにて実施した。前者ではAmerican Textile History Museum、後者ではSan Francisco Public Library History Centerを中心に調査を実施し、関連文献を収集した。サンフランシスコ調査の成果の一部は、論文として公表した。しかし、当初予定していた上海支店の調査は、中国国内の反日情勢を勘案して中止を余儀なくされた。次年度以降に状況をみて実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一義的目標であった「伊藤忠兵衛家文書」の整理・仮目録作成については、所期の予想を上回って年度内に約5万点の整理を終えることができた。その一方で、戦前期に伊藤忠商事が開設していた海外支店のうち、初年度に調査を予定していた中国各地の支店調査は、当該国の反日情勢のため、これを断念せざるを得なかった。共通輪読資料の「本部旬報」は原本の関係で全号を読了することができなかったが、新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「伊藤忠兵衛家文書」の本目録作成に向けて、書式の統一と原本校合を行う。(2)海外支店所在地において関連資料の調査・収集を実施する。ただし、調査対象地の国内情勢如何により、後年度に延期すること、あるいは断念することも選択肢におく。(3)「本部旬報」「社報」を輪読し、分担研究に則した史実の整理・分析をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度繰越が生じたのは、予定していた中国調査を国内の情勢を勘案して中止したことが主たる要因である。次年度も引き続き、上欄(1)(2)を中心に使用する。とりわけ、資料整理要員(研究協力者)の雇用を増やして作業進行を早めるとともに、海外調査にあたっては円安状況に対応して費消する。
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Research Products
(3 results)