2012 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルメディア時代における組織ならびに個人の行動と個人情報保護に関する研究
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24330127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
アダムス アンドリュー 明治大学, 経営学研究科, 特任教授 (90581752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潔 明治大学, 商学部, 教授 (70229988)
折戸 洋子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (70409423)
新保 史生 慶應義塾大学, 総合政策学部, 准教授 (20361355)
上杉 志朗 松山大学, 経営学部, 教授 (70341279)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 個人情報保護 / プライバシー保護 / ソーシャルメディア / マイナンバー / デジタルアイデンティティ |
Research Abstract |
近年顕著になってきた,自分自身あるいは他者の個人情報をインターネット上のソーシャルメディア(SNSや電子掲示板,ブログ,動画投稿・写真共有サイトなど)を利用して公開するという個人ネットユーザの個人情報公開行動に関する規範とそれに関連する企業の責任,さらに公開された個人情報の企業をはじめとする組織による収集・利用と個人情報保護のあり方について国際共同研究をする一環として,平成24年度においては以下のような研究実績を上げた。 1.本基盤研究が主催する形で平成24年11月に国際会議「The Asian Privacy Scholars Network 2nd International Conference」を明治大学で開催し,個人情報・プライバシー保護に関するアジア太平洋地域の研究者を一堂に集めて研究報告ならびに討論が行われた。その結果,個人情報保護に関する様々な国や地域の事情が明らかにされ,国際比較研究の可能性を確認することができた。また,本国際会議で報告された研究のうち優秀なものについてはJournal of Law,Information and Societyの特集号に掲載されることとなり,本基盤研究からの3件の報告がノミネートされている。 2.本基盤研究の研究分担者・連携研究者・海外共同研究者との研究会合を上記の国際会議の直後に開催し,国際共同研究の具体的テーマの設定を行った。その結果,デジタルアイデンティティの保護に関する国際比較研究など,本基盤研究の枠組みでの新しい研究プロジェクトがスタートした。 3.オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学教授で本基盤研究の海外共同研究者の一人であるグラハム・グリーンリーフ氏を学術振興会海外招聘研究者として受け入れ,日本で実現が目指されているマイナンバーシステムについてプライ橋保護の観点から検討を行い,マイナンバーシステムの円滑な運用のためには,具体的なプライバシー保護方策の確立とシステムへの組み込みが必要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画されていた研究内容についてはほぼ実施が進んでおり,さらに国際会議を主催することによって共同研究者のネットワークを,当初予定していた欧米・豪州に加え,アジア各国に広げることに成功している。また,個人情報保護にかかわるセキュリティシステムの開発について,アイトラッキングシステムを利用した実験を計画(平成25年4月実施)するとともに,国際ワークショップの開催(平成25年4月開催)を準備することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.米国およびカナダの研究者と共同で,監視とプライバシーに関するアンケート調査を実施し,国際比較研究を行うことになっている。すでに各国で共通に使われるアンケート票は開発済みであり,本年度にはアンケートを実施してその結果を論文として国際会議で報告し,英文ジャーナルに投稿する予定である。 2.アイトラッキング実験を行い,その結果を米国インディアナ大学との共同研究として国際比較研究論文にまとめ,国際会議で報告し,英文ジャーナルに投稿する予定である。 3.昨年度と同様に本年度も,本基盤研究の研究分担者・連携研究者・海外共同研究者の対面会議を開催し,研究の一層の進捗を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度の研究成果の発表と他研究者との意見交換のため,シンポジウムを4月初旬に開催し,その旅費に充てた。
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Research Products
(9 results)