2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際物流の構造変化とわが国コンテナ港湾の競争力強化策に関する研究
Project/Area Number |
24330138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Institute of Statistical Research |
Principal Investigator |
川崎 芳一 財団法人統計研究会, 調査研究部, 研究フェロー (10573438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 一薫 東京海洋大学, 大学院・海洋工学系, 教授 (80197798)
渡辺 日佐夫 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (40534392)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経済政策 / 国際物流 / コンテナ港湾 / 港湾間競争 |
Research Abstract |
研究初年度においては、コンテナ港湾の国際競争力決定要因抽出の前提となる国際競争力の客観的把握のため、(1)ターミナルの運営主体、(2)ターミナル機能、(3)港湾制度の3点から、わが国主要港湾及び北部欧州の主要港湾を対象に、それぞれの港湾の競争力について定性的・定量的分析を行った。 具体的には、(1)については川崎(代表者)・寺田(分担者)を中心に、わが国港湾の歴史的変遷と近年の民営化政策の下での現状と課題を分析するとともに、北部欧州主要港湾について、ハンザ同盟から続く各港湾の歴史的特性を分析するとともに、近年実施の組織改革の背景と影響について考察、整理した。 また(2)については、渡辺(分担者)を中心に、Zepol、PIERS、Drewryのデータを用いて船社の行動分析を行うとともに、基幹航路就航船舶の寄港地選択に必要な、ターミナルが満たすべき要件について、主として日本を含む東アジアの主要港湾のターミナルについて分析、概観した。 さらに(3)については、寺田が中心に、コンテナ・ターミナルの公民の役割分担のあり方について、諸外国の文献のレビューを行うほか、国内主要港湾の現地視察を行い、近年の国際戦略港湾構想を中心とするわが国の港湾政策について、国際競争力から見た問題点と課題の確認を行った。 これらの研究結果をもとに、研究実施計画に従って25年度は、競争力決定要因の分析、抽出に進む予定であるが、24年度の研究過程で手塚(連携)を中心に行ったコンテナ・ターミナルの競争力とはなにかと言う、競争力の概念整理をもとに、港湾の複合的な機能に着目した多角的な分析を行うこととする。 なお、24年度と同様25年度も、関係者全員出席の研究会を開催し、共通認識を確認しつつ研究を進めるとともに、25年度は内外主要港湾の現地視察のほか、さらにワークショップの開催などにより幅広く意見交換を行い、学術面、政策面で貢献できる成果を出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書記載の研究実施計画に基づき、ほぼ予定通り実施した。なお港湾の競争力の概念に関し、論文サーベイに基づく検討の結果、港湾の複合的な機能に着目した多角的分析が必要と判断し、今年度も引き続き概念整理を進める。なおまた、昨年度に実施を予定していた現地視察の一部について、視察先との日程調整結果延期したが、25年度の早い時期に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い実施する予定であるが、とくに25年度は24年度の研究実績を踏まえ、(1)ターミナルの運営主体の違い、(2)ターミナル機能に関する戦略の違い、及び(3)港湾制度や規制内容の違いによる効率性・サービス品質・マーケティング能力への影響分析を行い、競争力決定要因の抽出、モデル案の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度実施予定の現地視察を訪問先との日程調整から延期したため、助成金の一部を繰越することとなったが、25年度の早い時期に実施する。また25年度も、24年度に引き続き研究会を開催しつつ研究活動を進めるが、ワークショップの開催、内外主要港湾の現地視察および関係者との意見交換を積極的に行う。
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