2014 Fiscal Year Annual Research Report
会計情報の開示とショートターミズム(近視眼的経営)の関係性についての多面的研究
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24330139
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
伊藤 邦雄 一橋大学, 商学研究科, 教授 (60134889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 誠 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00275017)
鈴木 健嗣 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (00408692)
大塚 成男 千葉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (20213770)
中條 祐介 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (40244503)
梅原 秀継 明治大学, 会計専門職研究科, 教授 (40282420)
金 鉉玉 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (40547270)
鈴木 智大 亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (50609021)
浦崎 直浩 近畿大学, 経営学部, 教授 (60203600)
太田 浩司 関西大学, 商学部, 教授 (70366839)
矢澤 憲一 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (70406817)
加賀谷 哲之 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (80323913)
野間 幹晴 一橋大学, 国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
川島 健司 法政大学, 経営学部, 教授 (80406652)
円谷 昭一 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (90432054)
越智 学 大分大学, 経済学部, 講師 (90613844)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ショートターミズム / ディスクロージャー / コーポレートガバナンス / 統合報告 / ROE / モジュラー型開示 / 伊藤レポート |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、先行研究で検討されていた会計・開示情報とショートターミズムとの関係性をめぐる実証的な証拠や追加的な分析を基礎として、日本企業のショートターミズムをめぐる様々な経営行動と会計・開示行動との関係性を整理した。 この結果、日本企業のショートターミズムをめぐる現象は必ずしも欧米での動向とは同一とは限らないことが確認された。投資家との円滑な対話・エンゲージメントが十分になされていないことが、低収益性・低成長性の経営判断を許容し、他国以上にリスクテイク活動に対する消極的な姿勢を促進させていることが確認された。一方で、グローバル資本主義を意識した会計・開示規制の変革を契機に、必要以上に開示資料の増大化・多様化が進展し、持続的な企業価値の創造には結びつかない情報過多の問題が顕在化していることが、そうした対話・エンゲージメントの障害となっていることが確認された。日本企業がイノベーション活動や社会貢献・環境経営の観点から優れた活動を行っている一方で、収益性や成長性など財務業績という観点で優れたパフォーマンスをあげることができていない「不都合な現実」を変革させるためには、モジュラー型開示システムの導入など会計・開示面をめぐる革新が不可欠であることが確認された。 さらに日本企業の最高財務責任者(CFO)に対するサーベイ調査を行い、日本企業のCFOの多くが、必ずしも企業経営をめぐる意思決定への関与が十分ではなく、それらが財務業績の低下に結びついていることも確認された。CFOの意思決定に対する管掌・関与の範囲を広げ、それを会計・開示システムを通じて積極的に発信していくことも重要であることが確認された。 こうした研究成果の多くは2014年8月に経済産業省より公表された「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~ 最終報告書」(伊藤レポート)等に掲載されている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)