2013 Fiscal Year Annual Research Report
企業の持続的発展可能性と財務情報・非財務情報の統合化に関する研究
Project/Area Number |
24330143
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
古賀 智敏 同志社大学, 商学部, 教授 (70153509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 雅雄 早稲田大学, ファイナンス研究科, 教授 (10030644)
田中 建二 明治大学, 会計専門職研究科, 教授 (60096857)
五十嵐 則夫 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (00456336)
菊谷 正人 法政大学, ・イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (10132101)
五十嵐 邦正 日本大学, 商学部, 教授 (90113993)
河崎 照行 甲南大学, 社会科学研究科, 教授 (10122227)
池田 公司 甲南大学, 経営学部, 教授 (80202886)
安井 一浩 神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (60437449)
與三野 禎倫 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80346410)
付 馨 鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (80551051)
姚 俊 立命館大学, 経営学部, 助教 (00610932)
姚 小佳 近畿大学, 経営学部, 助教 (50610474)
沖野 光二 兵庫大学, 経済情報学部, 准教授 (00319906)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 統合レポーティング / 非財務情報 / 統合化 / 持続的発展可能性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、企業の持続的発展に資する財務情報と非財務情報の統合化に関して理論化を図るとともに、広く財務報告制度全般にわたる体系的に解明することである。そのために平成25年度においては、次の研究活動を実施した。 まず、平成24年度に引き続き、関連文献の収集と精度の高い文献研究を行った。研究分担者がそれぞれの分担領域において、関連文献の収集と緻密な文献研究を行い、統合レポーティングの理論および制度の概要、そして現状の報告制度の課題について体系的な整理を行った。 つぎに、統合レポーティングを含む非財務情報開示やワン・レポートについて、積極的な取り組みが実施されているイギリスやでオランダにおいて、関連の有識者や専門家から広く意見を聴取することで、各国の報告書作成実態をつぶさに視察した。併せて、海外から本領域における専門家を招聘し、意見交換を行うことで本研究の推進を図り、わが国における統合レポーティングの現状を海外へ発信した。 これらに加えて、具体的な統合レポーティング発刊企業のグローバルな事例研究を進めている。過去2年間の研究実績において蓄積された理論研究ならびに海外におけるヒアリングによる実態調査を基礎に、統合レポーティングの現状ならびにその課題を究明している。さらに、統合レポーティングの作成・開示が強制されている南アフリカ共和国企業を対象に、統合レポーティングに対する意識を解明する目的で、クエッショネア調査を実施し、統合レポーティングの作成・開示の実態,ならびに財務情報と非財務情報の統合化の情報効果に関する研究を推進している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、財務情報と非財務情報の統合化を促進することによって、企業の説明責任を促進し、その持続的発展に資する新しい企業の情報開示のあり方を考究・提示することを主たる研究目的としている。 この目的を達成するにあたり、財務情報と非財務情報の統合化にかかる理論的なフレームワークの構築が極めて重要な中核をなすが、過去2年間の研究期間の間に、企業情報開示の理論的側面から統合レポーティングの意義や理論的根拠を明らかにしている。また、知的資産やリスク情報、環境・CSRといった非財務情報の開示に焦点をあて、その開示にかかる理論的・制度的基盤の詳細な分析を行っている。 加えて、概念的な理論研究や制度的基盤研究に留まらず、諸外国における統合レポーティング開示の事例研究ならびにレポーティングの作成実態を究明するクエッショネア調査を実施し、事例研究やデータに裏付けられたより強固な説得力ある総合研究としてし順調に進展している。そのうえで平成26年度における更なる研究課題の検討およびその準備が順調に進捗している。 以上より、本研究は、その目的を達成するにおおむね順調に進展していると評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず統合レポーティングの開示情報の信頼性確保にかかる保証問題の検討や、統合レポーティングのコンテンツ分析といった過去2年間の研究成果の未完成部分を補完する。その後、これまでの理論的・制度的研究と実証的研究の成果を併せた総合研究として、わが国において将来拡充化されることが予想される統合レポーティングの開示のあり方について政策提言を行う。その際に、より有効性・効率性をもった統合レポーティングの普及に向けて、国際統合レポーティング委員会や経済産業省等の政策決定者、大手監査法人や証券アナリスト、そして企業の情報開示担当者等の専門家や実務関係者といった多種多様な関係者と緊密に連携し合うことによって、より社会的発展可能性が高い研究成果の社会還元を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度においては、過去に実施した統合レポーティングの事例研究やクエッショネア調査の結果について、グローバルなアカデミック・ネットワークを活用し、更なる深化に努める予定である。そのために、海外の第一線で活躍する研究者や有識者からの情報獲得が必要となる。また、大手監査法人や経済産業省等の協力を得て、より広範囲に事例研究やクエッショネア調査を実施し、研究成果のブラッシュ・アップを図る予定である。 海外研究者ないし有識者との交流のために、海外渡航費ないし研究者招聘費として利用する。また、グローバル規模でのクエッショネア調査の実施を予定している。
|
Research Products
(11 results)