2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24330152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 英昭 相愛大学, 人文学部, 教授 (30047485)
伊藤 公雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (00159865)
石蔵 文信 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (50303970)
阪本 俊生 南山大学, 経済学部, 教授 (30215652)
心光 世津子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (60432499)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 男性の健康 / ポスト工業社会 / 肥満 / 自殺 / 男性更年期障害 / 医療化 |
Research Abstract |
2013年5月18日、第64回関西社会学会(大谷大学)にて、共同報告「ポスト工業社会における男性の健康」を行った(A, B, D班合同)。2013年5-7月に、朝日、毎日、読売、日経の各紙について、特定健診制度に関する記事約600件の分析を行った(A班)。また、同年7月に尼崎市、東大阪市、北九州市、福岡市、前橋市、高崎市合計480機関宛に「特定健診・特定保健指導制度の普及と社会的受容に関する調査」の質問紙を送付、91通の回答を得た(A班)。7月15日に、大阪大学中之島センター佐治敬三ホールにて、公開シンポジウム「続 男もつらいよ ―夫源病の著者と語る男のいきづらさ」を実施し、一般参加者約100名の参加を得た。このシンポジウムを通じて、広く男性の行き方について参加者と討議し、その模様はウェブサイトにてすべて公開した(D班)。8月13日に、The 10th Conference of International Society for Clinical Bioethics(釧路国際観光交流センター)にて、特定健診制度の社会的側面についての報告を行った(A班)。2013年10月11日には、4S Annual Meeting (San Diego, US)にて、報告を行った(A班)。2013年3月から2014年2月にかけて、尼崎市、東大阪市、北九州市、福岡市、前橋市、高崎市の保健所等特定健診実施機関において聞き取り調査を実施した(A班)。2014年3月には、岩手、青森における自殺対策事業の聞き取り調査を実施。また、自殺行動の男女性差に関する要因を分析する研究のシステマチックレビューを継続した(B班)。男性更年期障害について調査を継続。インタビュー調査については当事者への影響を考慮して中止し、石蔵が医師としての臨床経験をデータとして使用することとした(C班)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定健診制度についての現場調査は順調に推移しており、新聞記事分析、専門家へのインタビュー調査はおおむね終了している。実施機関へのアンケート調査については回収率が低迷し、思うようなデータを取得できなかったが、インタビュー調査は順調である。男性の自殺問題については現地調査の調査地を震災の影響のある東北2県に変更した。男性更年期障害については、担当する分担研究者の転出により、研究が進捗していないが、平成26年度には進める予定である。政策的提言をめざすD班については、公開シンポジウムにおいて多数の一般参加者を得て、啓発活動と一般参加者との意見交換は十分に行えたと考える。残念ながら出版企画が現在中断しており、平成26年度宙にはめどをつけたいと考える。なお、予算が当初予定していたよりも大幅に減額となったために、金沢大学とウィーン大学との連携が困難となっている。これは現状では十分な旅費が確保できないためである。この点については、電子的な情報の交換などにとどめるかどうか、平成26年度に検討したいと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
特定健診制度については、制度の成立経緯、専門家および政策担当者の本来の意図、現在の状況、現場の抱える問題などがほぼ明らかになり、当初の政策意図とは異なった方向に政策が機能していること、男性肥満の医療化は、欧米のようなスティグマ化の方向に向かっていないことなどが理解された。最終年度では、当事者へのインタビュー調査に焦点を当てたいと考える。自殺問題については、自殺における性差の要因についてこれまでの研究レビューからまとめ、日本のポスト工業社会における男性の自殺要因に焦点をあてたいと考える。最終年度では、統計的な検証と自殺対策が功を奏している地域での実地調査を総合し、男性の自殺問題がどのような社会的背景と関係しているのか、現在の対策がそうした背景と相応しているのかどうかを検証する予定である。男性更年期障害については、専門医の立場から、薬物の販売との関連、昨今の職域メンタルヘルスにおけるうつ病急増との関連について知見をまとめる予定である。最後に、政策提言としては、現在、社会問題化する男性性について出版企画を進めており、最終年度中に出版のめどをつけたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末の調査旅費、およびインタビュー調査のテープ起こし費用について分担者との連絡が十分でなく、見積もりを過大にしていたため、次年度から前倒し支払い請求額を年度末までに使用できなかった。 前倒しで支払い請求した大半が繰り越しとなったため、次年度は当初の計画通りに進めることとする。
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Research Products
(11 results)