2013 Fiscal Year Annual Research Report
HIV陽性者のヘルス・プロモーション支援に向けた当事者参加型調査研究
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24330158
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
井上 洋士 放送大学, 教養学部, 教授 (60375623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 准教授 (20509525)
若林 チヒロ 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40315718)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 医療・福祉 / HIV/AIDS / 健康社会学 / 当事者参加 / NPO / ヘルスリテラシー / ヘルス・プロモーション |
Research Abstract |
平成24年度に実施したWEB調査項目選定作業を通じて作成した調査票をもとに、WEB調査を13年7月20日から14年2月25日まで実施した。当事者参加型形式の一環として全国のHIV陽性者・研究者参加のレファレンスグループ会議を3回開催、補完的に個別での対話やML上の相互やりとりを実施した。これらの議論を受け調査サイト・調査回答サイトで以下の工夫を施した。1)調査実施に先行し14年7月1日から調査サイト公開、2)質問項目数が多い(350問)ことによる負担感軽減のため回答進捗を示すナビゲーションを設け途中で回答をやめても10日以内再開可能に、3)インセンティブとしてAmazonギフト券抽選と壁紙ダウンロードサービス、4)回答状況リアルタイム表示。調査回答協力者のリクルートでは、広報を中心的に担当する組織としてHIV陽性者が中心となった広報ワーキンググループを設け、オンライン及びオフラインにより多角的に行うものとした。オンラインでは、調査トップページへのバナー貼り、HIV関連NGOウェブページでのバナー展開(協力NGO19団体)、HIV陽性者限定参加SNSでのバナー展開とPR、ツイッターとFacebook展開(14年2月22日時点ツイート数1,010、いいね!数367)、公式ツイッターと公式Facebook展開(同時点フォロワー数382、いいね!数35)、MSM(men who have sex with men)向けサイトやスマホアプリでのバナー広告展開、HIV陽性者によるブログでの調査紹介協力などを実施した。14年2月20日までに調査サイト訪問数28,637、調査回答サイト訪問数3,936、説明と同意画面閲覧数2,210、調査開始数1,630、調査回答終了数1,081となり、当事者参加型形式ゆえの幅広い調査協力回答者獲得に繋がったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は1)WEB調査の全国での実施、2)WEB調査の全国における多角的なPR、3)調査データのエディティング及びクリーニング、4) 調査結果の分析・解釈、5)調査結果速報冊子作成と公表、6)学会での報告を予定していた。しかしながら、1)のWEB調査へのHIV陽性者の参加が予想以上に伸び悩むことになったことに加え、そもそもWEB調査の開始も調査票そのものの質を上げ学術的にも実践的にも批判に耐えうるものにするために検討を加えていたこともあり、2013年7月20日からとずれ込んだ。当初予想では2014年1月20日に調査を終了させる予定であったが、回答協力者数の少なさが指摘され、1か月ほど延ばして2月25日を調査終了日と設定した。加えて、不正回答などはWEB調査ではありうると想定したものの、その想定以上のものが見られたために、WEB調査終了直後から3)に示すデータクリーニング作業を始めたものの、結果として2014年4月まで焼く2か月間をかけることとなった。特に、データクリーニングにより不正回答として除外したり論理チェックをした結果としてデータに手を加えたプロセスをすべて研究記録として丹念に残す作業をしたことも、時間をより多く必要とする状況づくりがされるものとなった。しかし、これらの遅れは、研究水準を高めるうえでは必要不可欠なものであり、かつ次年度において大きく取り戻すことができるものと判断はしている。なお、学会発表はプロセス評価を中心にすでに実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度から持越した、調査結果の分析・解釈、調査結果速報冊子作成と公表については、平成26年度4月から6月の間に、急ぎ、しかし念入りな検討をしつつ実施する。そのうえで、当初予定通り、1)今後の同様の調査研究のあり方についての検討:今後の課題の洗い出し、特に将来的に定期的に調査を実施する必要性と方策を検討、2)追加分析:追加分析事項について、分析、3)報告書作成及び提言策定に向けた連携:研究成果の普及とともに、研究によって得られた結果をエビデンスとして施策につなげるよう、さらに調査協力者らにとって支援的なツールとなることを意識して、ステアリンググループが方向性を定めた後、研究者ワーキンググループで複数の報告書を作成、WEB上にアップ、4)報告会開催:上記の成果について、報告会を開催、5)学会等での報告、を予定通り行う。特に提言策定にあたっては、当事者であるHIV陽性者によるレファレンスグループとの討議を十分に減るものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に当初予定していた、「調査データのエディティング及びクリーニング」「調査結果の分析・解釈」「調査結果速報冊子作成と公表」が、WEB調査実施開始遅れと、終了時期の遅れから、平成26年実施にずれ込んだため。 理由欄に述べた、平成25年度実施予定であったが施行できなかった項目については、平成26年度の4月から6月にかけて実施し使用する計画にしている。
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Research Products
(8 results)