2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24330162
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鳥越 皓之 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80097873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 美紀 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (40548236)
桜井 厚 立教大学, 社会学部, 研究員 (80153948)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水 / 地域づくり / 風景 / 地域コミュニテイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は湧水や井戸、川や湖など、水に関わる自然的存在をどのように地域づくりと結びつけるか、それによって、これらの水の質がどのような形で保持されるかということについて研究することを目的とするものである。 当該年度以前の年度において、研究史的分析と、現場での調査を蓄積してきた。この当該年度も次年度の最終年度に向けて、現場の状況を的確に把握することを目的として、その多くの労力を現場調査に向けた。その結果、多くのデータを集めることができたし、その成果を公的に発表できるレベルにも達してきた。そのため、本年度は、代表者のみならず、分担者もいくつかの学会発表をした。とりわけ、鳥越皓之による海外の国際学会での発表は多くの質問もあり、注目されたものと理解している。 調査の過程で、水という自然的存在と地域づくりとの間に、媒介変数として、コミュニテイが重要であることを、現場から改めて教えられた。そのため、本年度の調査はコミュニテイの役割について、丁寧な調査を重ねたし、このコミュニテイ研究は次年度も必要であることを痛感している。 また、本年度は中村良夫と鳥越皓之の共編で、『風景とローカルガバナンス』という本を出版したが、それは小川についての分析がかなり含まれており、それは本研究の成果の一つと言えよう。 本研究の課題は地域づくりの一環として、風景というものを考えることを教えてくれた。これは当初に想定していたものではなかったが、現場で調査をするうちに、風景という視点を挿入することで、環境保全について、興味ある政策が生まれることを学んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進展しているが、「実績の概要」にも述べたように、現場を調査していくうちに、あらたな視点やおもしろいアイデアが生まれ、それは当初の予定とは外れているともいえるし、また、発展形態ともいえる。このように一部が当初の計画予定以外のことを含みつつ、よいように進展していると総括できる。
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Strategy for Future Research Activity |
多くの現場での調査の過程で、コミュニテイの重要性を教えられたので、コミュニテイ、それと風景というものについて、今後とも考えていくことにしたい。 また、改めて、東日本大震災の大きな課題を教えられたので、福島県川内村の調査も当該研究に関わる視点から研究をすすめる予定である。 今年は最終年度でもあるので、まとめを意識しながら、あたらしい世界観にもとづく地域づくりの在り方について、データの漏れをも意識しながら、論理構成を考えていくことにしたい。
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Causes of Carryover |
地域づくりについての聞き取り予定で、首長など多忙な人からの聞き取りを予定していたが相手先の事情で聞き取りができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取りができなかった相手に対してアポイントがすでにとれているので、それは解決したと理解している。そのため、昨年度予定の聞き取りを本年度に行う予定である。
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Research Products
(6 results)