2012 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化する介護労働と福祉国家における女性の役割:国際比較調査からの考察
Project/Area Number |
24330178
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
杉本 貴代栄 金城学院大学, 人間科学部, 教授 (20206428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 陽子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (30368021)
山口 佐和子 愛知県立大学, 教育福祉科学部, 非常勤講師 (90574343)
乙部 由子 愛知県立大学, 教育福祉科学部, 非常勤講師 (20457914)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 社会福祉関係 / ジェンダー / 高齢化 / 介護労働 |
Research Abstract |
高齢社会に突入し、超高齢社会への道を進みつつある我が国にとっては、介護問題は緊急かつ深刻な課題である。介護労働は「女性向きの仕事」であるという「ジェンダー規範」があるため、従来から女性により安上がりに担われてきたが、近年では、介護労働者が国際的に移動するという「グローバル化」という問題も生じている。このような「古くて新しい課題」を抱える日本の介護労働の特徴を明らかにするために、介護労働の異なるパターンを持つ、米・デンマーク・韓国・中国の介護労働の実態を調査し、福祉国家における介護労働の類型化を試みる。今までの研究結果から私たちの研究グループは、介護労働に関わる以下のような類型化を仮説として導き出した。性役割に依存する類型(日本)、移民やマイノリティーに依存する類型(アメリカ・韓国)、農村からの出稼ぎに依存する類型(中国)、職業としての保障を高めることにより女性の仕事として定着させる類型(北欧)、がそれである。この仮説を立証するために、対象とする各国で3-4カ所の介護労働を提供する機関・施設において介護労働の実態調査を行う。各国における政策担当者への聞き取り調査も実施する。初年度である平成24年度には、各国における資料を収集し、アメリカ、韓国、中国においては予備調査を行った。本調査を行う中間年(平成25年度)へ向けての準備を整えたのである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各国において本調査を行う中間年(平成25年度)へ向けての準備は整った。平成25年度においては、デンマーク、アメリカ、韓国、中国それぞれにおいて、各国2-3箇所の施設を選択して現地調査を実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、各国における本調査を実施する。各国2-3箇所の施設を選択して調査を実施する。 調査終了後は、比較検討して分析を行う。必要とあれば、最終年にも補足調査を実施することも予定している。
|