2012 Fiscal Year Annual Research Report
父方祖父-父親-子の3世代間におけるアタッチメント関係
Project/Area Number |
24330192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 教授 (20282270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 利彦 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90242106)
中島 美那子 茨城キリスト教大学, 文学部, 講師 (60571289)
安藤 みゆき 茨城女子短期大学, 保育科, 講師 (90612797)
工藤 晋平 広島国際大学, 心理科学部, 講師 (70435064)
北川 恵 甲南大学, 文学部, 教授 (90309360)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 祖父-父-子 / アタッチメント / 世代間関連 / 男性の養育性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、父方祖父)父親(と母親)-子という3世代でアタッチメントデータを収集することで、父子間(祖父-父、父-子)における3世代間のアタッチメント関係の連関を検討することである。平成24年度は、この計画を実行することの事前準備の期間と考えている。最初に、質問紙尺度について、仮説に沿った内容に精選させる作業を数井と遠藤が中心になって行った。次に、成人に対するインタビュー法について、その文言や日本文化にあった言い回しを改めて時間をかけて見直した。これらは、数井、北川、工藤が行った。また、安藤、中島に対してこのインタビュー方法をトレーニングした。さらに、子どもの観察データ収集のために、AQSを安藤、中島に対して教授した。 今回これらのプロセスで新たに考えなければならない課題が明らかになった。それは、父親の養育性に関する理論、仮説、及び、質問紙での実際の項目であった。既存の心理学的、教育学的、あるいは保育学的な領域からの示唆を超えたところでの問いを改めて考える必要性が出てきた。そのため、改めて文献調査を行った。主に進化論的な立場やそれを基にした進化心理学の領域からの示唆が有効だと考えられる。現代の父親の養育特性に影響を与えることは、表層的な現在的要因だけではなく、ヒトという生物としての遺伝的な傾性も背景にかなり存在しているようだ。父親の養育態度の多様性は、環境要因(貧困、貧困以外の厳しい状況)や自分自身の配偶投資の可能性などからより大きな影響を受ける。つまり、質問紙作成において、これらの要因を加味した内容を構築し、改めてパイロットデータから、その有効性を検証することが必要であるとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな課題が見つかり、その「男性の養育性」を構成する概念への追加要因の特定を注意深く行ったため。この進化的な観点は、日本における発達心理学領域内ではほとんど見あたらない取り組みである。そのため、海外の文献等からの整理が必要であったため、当初の予定よりも遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、7月までの段階で、昨年度から取り組んでいる新たな課題を取り入れたパイロットデータ収集を行い、その信頼性が確かめられ次第、本データ収集へと着手する。今年度は、主にデータ収集が最も中心的な活動となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
26年度は引き続きデータ収集を行い、可能な限り50家族(父方祖父、父母、子ども)に近づける。その結果を学会発表(国内外)で行う。
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Research Products
(8 results)