2012 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児と親への臨床心理学的早期介入モデルの構築
Project/Area Number |
24330198
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永田 雅子 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (20467260)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 心理学的介入 / 低出生体重児 / 超早期介入 / 母子の関係性 |
Research Abstract |
臨床心理学的援助において、周産期医療の場の中で、赤ちゃんと親と、その関係性を適切にアセスメントし、支援に結び付ける視点をもつことを、周産期における心理臨床の重要な構成要素と位置づけ、低出生体重児の退院前および1歳半児の親と子および関係性の特徴、周産期医療・フォローアップ場での親子関係の臨床心理学的支援の方向性、関係性に支援するための有効な臨床心理士の養成教育について検討を行っていく。平成24年度は、低出生体重児が1歳半の時点での母子のやりとりの質の検討をおこなうために、県内の総合周産期母子医療センター2か所の協力を得て、対象者の募集を行った。平成24年度末現在で5名の協力が得られ、平成25年度に調査を実施予定である。当初、母子のやり取りの撮影場所を病院診察室を予定していたが、4名を試行的に病院内で実施したところ、子どもの緊張を強め自然なやり取りの場面の撮影が困難であったため、代表研究者の所属する外来相談室の一室を利用して実施することに変更を行った。統制群については、地域の子育て支援センターに通う母子等に調査協力を依頼し、14名の協力が得られ、その結果をCPICS (Child Parents' interaction Coding System (Hemdenbro et al, 2002)を利用して相互作用の質的な評価および母親の精神健康についても調査を行った。当初予定していたブラゼルトン新生児行動評価の臨床応用の検討については、研究協力機関の調整ができず、平成25年度に実施を延期した。1歳半時の相互作用についてのレビュー論文を一本発表を行うとともに、外来診察室でおこなった1例の母子のやり取りの場面の質的検討症例報告を国際学会で発表および、周産母子センターで母子の関係性に焦点をあてて支援をおこなった事例報告について、国内学会で発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1歳半の時点での母子の交流場面の検討については、25年度に予定していた統制群のデータの収集はほぼ完了し、対象群についても、県内2か所の研究協力機関との調整が終了し、データの収集を開始できている。一方で退院前のNBASを使った臨床応用の検討については、予定していた研究協力者の勤務機関との調整がつかなかったため予定どおりに実施することができなかった。事例や知見の収集等については予定通りすすんでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
NBASの臨床応用について、対象群のデータが当初予定していた人数の収集が困難な可能性があるため、統制群のデータを関係協力機関との調整をおこない収集を行うことで、統制群との比較検討を質的に行う。NBAS資格認定取得者を増やし、統制群について、いくつかの機関で実施できるよう調整を引き続き実施する。また1歳半の研究協力者を増やすため、支援プログラムの提供等、検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
NBASの認定資格の取得を予定にしていたが、24年度に開催されなかったため、次年度にNBAS認定資格者を増やし、研究体制を整えるとともに、NBASの臨床応用の検討を開始にあわせて物品の購入を行う。収集データの分析を行い、学会での知見収集・および発表を行うとともに、国内外の研究者を招き、シンポジウムを企画・開催するとともに、翌年度の予定していたDVDの作成委員会を立ち上げ、準備を開始する。
|
Research Products
(7 results)