2012 Fiscal Year Annual Research Report
地域での高齢者のうつ予防の心理教育プログラムの開発と支援体制の構築に関する研究
Project/Area Number |
24330202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
日下 菜穂子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70309384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 宣明 立命館大学, 文学部, 教授 (40217328)
成本 迅 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30347463)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / うつ予防 / 認知行動療法 / 生きがい |
Research Abstract |
平成24年度の研究目的として、(1)うつ予防の啓発活動(専門職間の連携体制の整備・専門職を対象とするガイド作成・住民向けリーフレットの配布・市民講座での啓発活動)、(2)プログラムの実践者養成と実践者養成ガイドブックの作成、(3)小地域でのハイリスク者のスクリーニングおよび、広報、市民講座を通じて参加者募集と、プログラムの実践、(4)介入効果の測定と効果測定の指標の開発の4点をあげた。(1)については、リーフレット「高齢者の心の健康」を京都市との連携により作成し、地域包括支援センター等を通じて市民に配布するとともに、PDF版をHPに掲載してダウンロード可能とした。(2)の実践者養成のために、3回にわたる実践者養成研究および10月からの介入への陪席を通じて研究を行い,同時にガイドブックの草案を作成した。研修を受けた心理専門職が12月からのプログラムの進行に関わり、その体験をガイドブックに取り入れる。(3)京都市との連携により「高齢者の介護予防のための生きがい創造プログラム実施事業」として、京都市上京区の高齢者48人を対象に3グループの介入を12月から3月にかけて行った。介入には、京都市内の福祉専門職等の見学も広く受け付けた。京都市との連携による取り組みでは、研究会を定期的に開催することで、地域で高齢者の心の健康を支える他職種による連携体制構築をめざした。(4)大学生を対象にプログラムの理論を反映しうる尺度の開発を試みた。開発された尺度およびファイブ・コグ検査を指標として,(3)の参加者を対象に査定を行ったところ、有意な介入効果が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都市との連携により、プログラム実践の対象者の勧奨やプログラム実施を円滑に進めることができた。 当初、地域のうつのスクリーニングによる参加者の勧奨を計画していたが,倫理的な問題などから,広く一般高齢者に参加を呼びかけた。結果的には、参加者の約2割にうつ傾向のある人が含まれることから,目的とするうつ予防の効果の検証には問題なかった。その他については順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
プログラムの効果測定の指標とする尺度開発、今年度の介入効果について、広く一般に公表するための論文化を進める。さらに実践者向けのガイドブックの完成をめざし、実践者養成とともにプログラムの実践にも役立てる。
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Research Products
(5 results)