2013 Fiscal Year Annual Research Report
心的外傷後ストレス障害に対する認知処理療法の効果検証と治療メカニズムの解明
Project/Area Number |
24330204
|
Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
堀越 勝 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (60344850)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
樫村 正美 日本医科大学, 医学部, 講師 (00550550)
福森 崇貴 徳島大学, その他の研究科, 准教授 (50453402)
高岸 百合子 駿河台大学, 心理学部, 講師(Lecture) (40578564)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 認知処理療法 / 認知行動療法 / 外傷後ストレス障害 / 集団療法 / PTSD |
Research Abstract |
本研究では、米国において開発された外傷後ストレス障害(PTSD)に対する認知処理療法(Cognitive Processing Therapy, CPT, Resick & Schnicke, 1993)を、日本人を対象として実施し、その有効性と安全性を評価することを目的としている。また、この結果を踏まえて、治療技法をより有効性と安全性の高いものに改良することを目的としている。さらに、より多くのPTSD患者に適用できるように、集団版の認知処理療法(Chard et al., 1999)の安全性と有効性について調べ、個人療法の認知処理療法と同等の効果があるかを検証する。本研究によってCPTの有効性が確認されれば、PTSDに対する治療選択肢が増え、我が国におけるPTSD治療の発展に貢献できると考えられる。 本年度は、個人版の認知処理療法の臨床試験を開始し、これまでに筑波大学において5例、国立精神・神経医療研究センターにおいて5例の患者を対象に実施した。また、上記の個人療法と併行して、集団版の認知処理療法のプログラムを開発し、また、実際に臨床試験を始め、これまでに3例に対して実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個人版のCPTについては、各施設で順調にリクルートを実施し、実際に評価や介入を進めることができた。また、集団版のCPTについては、来年度以降に臨床試験の稼働を目標としていたが、想定以上に研究が進捗し、本年度から始めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
個人版CPTについては、さらにリクルートを強化して臨床試験を進める。また、実施例がある程度蓄積されたため、一定の有効性や実施可能性について検討できると認められた時点で試験を終え、成果を取りまとめる予定である。本研究を踏まえて、今後はランダム化比較試験というより厳格な方法論に基づき、臨床試験を実施していく必要があるため、それについての準備も進めていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度開始当初、資料整理や症状評価等での謝金の支出を予定していたが、業務の効率化により最低限の支出に抑えることができた。また、毎月の班会議のために前年度に支出していた会議費を本年度は最小限に抑えることができた。さらに、想定していたよりもやや研究参加者のリクルートが少なかったため、これにかかる謝金が想定よりも少なくなった。 一定程度、症例経験を集積したことにより、開発者のResick博士からのスーパービジョンや上級者向けの訓練を受ける段階に来たと考えられる。そのため、それにかかる経費に使用する計画である。
|
Research Products
(2 results)