2014 Fiscal Year Annual Research Report
「いのちの尊厳」教育と人権教育の実践における交差関係に関する国際比較研究
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24330219
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
増渕 幸男 聖心女子大学, 文学部, 非常勤講師 (40149076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 全之 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (50212775)
有馬 知江美 白鴎大学, 教育学部, 教授 (80291855)
楊 奕 同志社大学, 社会学部, 准教授 (60580751)
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 研究員 (30293327)
高橋 洋一 鳥取大学, 医学部, 助教 (40594271)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | いのちの尊厳教育 / 人権教育 / 人間的価値 / 共生と協働 / 持続可能社会 / 自殺と生命教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、21世紀を特徴づけるグローバル化の中で、個人・社会・国家・世界の各段階で人間の尊厳を毀損する諸問題が生じていることに対して、人間の自由で主体的な生き方を保証し推進すべき教育が果たす基本的役割について理論的・実証的に明らかにするものである。この目的のもとに、現代の生命科学の飛躍的発展によって現出してきた人間の「いのちの尊厳」の解釈問題と、科学的な人間理解が教育現場にもたらす人権問題との関係性について焦点をあて、長崎国際大学でのシンポジウム、中国の首都師範大学、香港の教育学院、国立台湾大学での共同研究会を開催してきた。 中国での研究会は首都師範大学の児童生命・道徳教育センターとの共催により、道徳教育的側面から「いのちの尊厳」について幼少時より教育する必要のあることが確認され、日中両国において両親の果たすべき役割の希薄化が浮き彫りにされた。また学生たちとの対話集会においても自殺と社会的背景がからむ人権の問題も理解できた。 香港教育学院での共同研究会では、宗教教育・心霊教育センターとの共催で講演会を開催し、香港生命教育学会長と人権教育指導者の講和を聞くことによって貴重な対話・意見交換を行い、香港市の全学校の教員が使用している『人権教育読本』も紹介され、香港独自の人権教育に関する関心度は日本よりも強いと理解できた。 国立台湾大学の生命教育発育成センターとの研究会は、台湾での生命教育推進の理念と活動内容をセンター長が講演し、その内容をめぐって議論を展開した。台湾全土の教員に対する生命教育のセミナー等を開催していて、その成果が大きいことを理解した。日本での類似の活動がより積極的・組織的になされることの認識を強く確認できた。
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