2013 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを中心とした地域創造のための協働学習活動―活動理論にもとづく研究開発―
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24330228
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山住 勝広 関西大学, 文学部, 教授 (50243283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 光行 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80309096)
伊藤 大輔 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (40440961)
蓮見 二郎 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40532437)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育方法 / 協働学習 / 地域創造 / 活動理論 / 国際比較 / ノットワーキング(結び目づくり) / 変革型の主体 |
Research Abstract |
平成24年度に達成された理論的な概念化をベースに、大阪府吹田市と京都府八幡市における子どもを中心とした地域創造のための具体的な教育実践のモデル開発、国内外における同等の活動との比較研究と国際共同研究のそれぞれを発展的に推進した。 具体的な教育実践のモデル開発では、大阪府吹田市と京都府八幡市の2地域において、総合的な学習の時間、放課後教育活動やコミュニティ学習など、教育・学習活動の詳細なデータを収集して、文字起こしの上、選択・整理し、焦点となるデータを確定していった。こうしたデータを本研究における理論的な仮説や概念と相互作用させながら緻密に分析し、子どもを中心とした地域創造のための協働学習活動の生成に関し、鍵となる重要なアイデアと具体的な実践モデルを明らかにしていった。とりわけ、子どもたちが、学校外のさまざまな「学びの提供者」と出会い、つながってゆく「ノットワーキング(knotworking)」、すなわち「結び目」を作り出すことを通して、新たな地域文化の創造へ参加し、地域社会をよりよい方向に変える「変革型の主体(transformative agency)」となりうる可能性について、検討と考察を進めた。 また、国内外における同等の活動との比較研究の側面では、(1) カリフォルニア大学サンディエゴ校比較人間認知実験室において実施されている放課後教育活動「第5次元(5th Dimension)」プロジェクト、(2) 阪神・淡路大震災と東日本大震災の後に被災地で取り組まれている「震災学習」の実践をそれぞれ対象に、「ノットワーキング」と「変革型の主体」をキー概念とした分析と考察を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、研究の目的を達成するため、理論的側面、実証的側面、国内外における比較研究の側面といった三つのアプローチを並行させて研究を実施している。そのいずれの側面においても、平成25年度において計画通りの成果を達成することができており、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である平成26年度には、平成25年度までに達成された本研究の理論的側面、実証的側面、国内外における比較研究の側面といった三つのアプローチを総合し、子どもを中心とした地域創造のための協働学習活動の具体的な教育実践モデルを構築する。 平成26年度における研究成果の発表では、とくに、平成26年9月にオーストラリアのシドニーで開催される、活動理論をテーマにした国際会議 4th Congress of the International Society for Cultural and Activity Research において研究発表を行う。あわせて英文の査読付国際学術雑誌と国内学会誌への論文投稿を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該助成金は、平成25年度における物品費および人件費・謝金の支出が、計画を下回ったため生じたものである。 当該助成金については、平成26年度の研究費と合わせ、旅費の費目で使用することを計画している。
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