2012 Fiscal Year Annual Research Report
聴取力と批評力を基盤とした音楽鑑賞能力の育成プログラム開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
24330247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三村 真弓 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00372764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 巧修 広島大学, 大学院・教育学研究科, 名誉教授 (20083389)
伊藤 真 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (70455046)
北野 幸子 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
藤原 志帆 熊本大学, 教育学部, 准教授 (20381022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 音楽科 / 聴取力 / 批評力 / 音楽鑑賞能力 |
Research Abstract |
本研究は、聴取力と批評力に関する調査研究と、我が国及び諸外国における音楽鑑賞指導法・聴取指導法の比較研究の2つの柱から成り立っている。 平成24年度は、聴取力に関する調査方法と分析方法を検討し、実際に実施した調査研究の結果から、音楽的感覚の習得状況及び聴取力の評価について、方法論上の有効性を見いだすことができたとともに、評価しにくい学力の評価方法の方向性を示すことができた。また、保育園で行った幼児の歌唱力調査は、来年度実施予定の幼児の聴取力調査の予備調査となった。さらに、スペインのカタルーニャ地方の幼稚園・小学校を視察した結果、聴取力育成のための新しい指導法を発見した。これに関しては、来年度詳細な調査研究を行い、指導法の効果を検証する予定である。 一方、我が国の指導法に関しては、昭和40年代に岐阜県で行われたふしづくりの教育に焦点を当て、昭和10年代から高山市で行われた音楽教育改善の試みから、古川小学校でふしづくりの教育が完成するまでを明らかにした。これによって、音楽的感覚や聴取力の育成にはどのような指導法が望ましいのかという課題に示唆を得ることができた。 さらに、過去に実施された音楽の基礎能力診断調査や、作成された音楽科能力表を検討することによって、当時の音楽科教育で求められていた音楽的能力は何であったのかが明らかとなり、それらの音楽的能力を育成する系統的なカリキュラムの詳細を解明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多方面にわたる研究を同時進行しているため、研究1年目の成果として、学会発表及び論文の形で発表できたものはごく一部である。文献研究に関しては、それぞれの研究分担者が、史料・資料収集を行い、研究を進行中である。来年度以降に、その成果の一部を提示できると予測している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においても、今年度と同様に、聴取力と批評力調査の実施・分析グループと、各国の音楽鑑賞指導法・聴取指導法の比較研究グループに分かれて、それぞれ研究を進めていく。聴取力と批評力に関する調査研究としては、国内外の幼稚園・保育園・小学校・中学校において本格的な調査に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者に配分した金額のうち、一部を次年度へ繰り越したいと申し出があった。残高に関しては、次年度の配分額と合わせて、研究打ち合わせ会議のための旅費、あるいは研究成果発表のための学会出張費に当てる。
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